海外ジャーナルクラブ
13日前

Ruffilliらは、 イタリアにおいて、 原発性産科抗リン脂質抗体症候群 (oAPS) と診断された女性の実臨床コホートを対象に、 2023年ACR/EULAR抗リン脂質抗体症候群分類基準 (以下、 2023年ACR/EULAR分類基準) の感度および将来の妊娠合併症リスクのある患者を同定する能力を、 多施設共同後ろ向き研究で検討した。 その結果、 同分類基準は原発性oAPSにおいて感度が23%と低く、 将来の産科合併症リスクがある患者を十分に同定できていないことが示された。 本研究はArthritis Care Res誌において発表された。
本研究は、 単群・後ろ向きデザインによるバイアス、 臨床診断依存による不確実性、 ならびに分類基準の本来の目的との乖離が主な限界です。
2023年ACR/EULAR分類基準は高い特異度を示す一方で、 感度は相対的に低いことが指摘されており、 その限界はとくに産科領域で顕著とされている。 とりわけ、 主たる臨床像が産科合併症である患者における感度は十分に検討されていない。
そこで本研究では、 原発性oAPSと診断された女性の長期転帰を、 5年間の追跡期間中における新たな産科イベントの発生に焦点を当てて検討した。
2006~23年に、 イタリアのリウマチ専門センター2施設において、 リウマチ専門医により原発性oAPSと診断された女性122例を対象に、 後ろ向き研究を実施した。
全患者について、 2006年シドニー分類基準および2023年ACR/EULAR分類基準の両方を用いて後ろ向きに分類した。 臨床診断後1年および5年時の追跡調査を解析し、 新たな産科イベントを特定するとともに、 ベースライン時の分類状況との関連を評価した。
ベースライン時、 対象患者の75.4%がシドニー分類基準を満たし、 23%が2023年ACR/EULAR分類基準を満たしていた。
2023年ACR/EULAR分類基準における主な除外理由は、 単独の胎児死亡による臨床スコアの不足 (56.4%)、 単独の孤立性IgM抗リン脂質抗体 (aPL) 陽性による検査スコアの不足 (4.3%)、 またはその両方の組み合わせ (5.3%) であった。
5年間の追跡期間中、 妊娠した患者の4分の1超が新たな産科イベントを経験した。 これらの症例の多くは、 2023年ACR/EULAR分類基準を満たしていなかった。
著者らは 「2023年ACR/EULAR分類基準は、 原発性oAPSを有する女性において感度が23%と低く、 将来の産科合併症リスクがある患者を十分に同定できていない。 そのため、 oAPSの管理においては慎重な臨床的判断が求められ、 この基準を診療で誤用した場合には、 治療不足につながり、 産科合併症の再発リスクを高める可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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