HOKUTO編集部
6ヶ月前
全身療法による治療歴のない切除不能肝細胞癌に対するニボルマブ+イピリムマブ併用療法の有効性および安全性について、 レンバチニブまたはソラフェニブの単剤治療を対照に検証した第Ⅲ相非盲検無作為化比較試験CheckMate 9DWの結果より、 OSの有意な延長が示された。 ドイツ・University Medical Center MainzのPeter Robert Galle氏が発表した。
チロシンキナーゼ阻害薬であるレンバチニブ (LEN) やソラフェニブ (SOR) は、 10年以上に渡り、 切除不能肝細胞癌に対する標準的な1次治療である。
CheckMate 040試験¹⁾では、 SORによる治療歴のある進行肝細胞癌に対する抗PD-1抗体ニボルマブ+抗CTLA-4抗体イピリムマブ併用療法 (NIVO+IPI) の有効性と安全性が示された。 CheckMate 9DW試験では、 切除不能な肝細胞癌の1次治療としてのNIVO+IPIの有効性と安全性が検証され、 今回は初回の中間解析の結果が報告された。
全身療法による治療歴のない進行肝細胞癌患者
668例を以下の2群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。 治療は、 病勢進行または許容し難い毒性の出現・同意の撤回まで (両群) 、 もしくは最長2年 (NIVO+IPI群のみ) 継続された。
(レンバチニブ275例、 ソラフェニブ50例)
主要評価項目
全生存期間 (OS)
副次的評価項目
BICRに基づく奏効率 (ORR) および奏効期間(DOR)、 症状悪化までの期間
探索的評価項目
BICRに基づく無増悪生存期間 (PFS) 、 安全性
治療期間の中央値
追跡期間の中央値
OS
【中央値 (95%CI) 】
HR 0.79(95%CI 0.65-0.96)、 p=0.018
【OS (24ヵ月時、 36ヵ月時) 】
【サブグループ解析】
事前に規定された全てのサブグループにおいて、 NIVO+IPI群のLEN/SOR群に対する優位性が一貫して認められた。
ORR (95%CI)
p<0.0001
DOR
【中央値 (95%CI) 】
【奏効に至るまでの期間の中央値 (範囲) 】
PFS
【中央値 (95%CI) 】
HR 0.87(95%CI 0.72-1.06)
【PFS率 (18ヵ月時、 24ヵ月時) 】
症状悪化までの期間
【中央値 (95%CI) 】
HR 0.76 (95%CI 0.62-0.93)、 p=0.0059
治療関連AE (TRAE)
重篤なTRAE
治療中止に至ったTRAE
Grade3~4の免疫介在性AEはNIVO+IPI群の28%で報告された。 その多くはGrade1/2であり、 治療中断には至らないものだった。
Galle氏は 「全身療法による治療歴のない切除不能肝細胞癌において、 ニボルマブ+イピリムマブ併用療法はレンバチニブまたはソラフェニブ単剤と比較し、 有意にOSを延長させた。 安全性は既報と一致していた」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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