海外ジャーナルクラブ
2年前
Jovinらは、脳底動脈閉塞 (BAO) 患者を対象に、発症6~24時間以内の血管内血栓除去術の効果やリスクについて検討する無作為化試験を実施。 その結果、内科的治療よりも90日後の機能状態が良好であったが、 手技的合併症や脳出血を多く認めた。 本研究は、NEJM誌において発表された。
中国からの研究ですが、本研究の最大かつ理解困難なlimitationは 「主要評価項目が当初は90日後のmRS 0-4点であったが、途中で0-3点に変更された」 点です。 mRS 0-3というのが通常の基準であり、当初mRS 0-4に設定していたことから研究全体に対して何とも言えない疑念が生じます。
BAOによる脳卒中発症から6~24時間以内の血管内血栓除去術の効果やリスクについては、 これまであまり検討されていない.
発症6~24時間以内に来院したBAO患者を、 以下の2群に1:1で無作為に割り付けた。
主要評価項目:当初は90日後のmRS 0~4点であったが、 「良好な機能状態」 (mRS 0~3点) に変更された。 安全性のについては、 24時間後の症候性頭蓋内出血と90日後死亡率を評価した。
血栓溶解療法が優位であったため、 中間解析で登録は中止された。 血栓溶解療法は、血栓除去術群の14%、対照群の21%で使用された。
mRSスコア0~3
当初の主要評価項目 (mRS 0~4)
24時間以内の症候性頭蓋内出血
90日後の死亡率
BAOによる脳卒中患者において、 症状発現後6~24時間以内の血栓除去術は、 内科的治療よりも90日後の機能状態が良好である割合が高かったが、 手技的合併症や脳出血を多く認めた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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