海外ジャーナルクラブ
5ヶ月前

Joustraらは、 活動性クローン病患者を対象に、 生物学的製剤に対する治療反応性を末梢血DNAメチル化で予測できるかをエピゲノムワイド関連解析研究EPIC-CDで検討した。 その結果、 ベドリズマブおよびウステキヌマブに対する反応性を予測するモデルの有効性が示された。 本研究はLancet Gastroenterol Hepatol誌において発表された。
DNA メチル化シグネチャーを予測マーカーとして扱っていますが、 なぜそのメチル化変化が反応性を反映するか、 分子的な因果機構までは明示されていません。
クローン病の治療においてアダリムマブ、 ベドリズマブ、 ウステキヌマブなどの生物学的製剤は広く用いられている。 しかし一次無効症例は少なくなく、 その機序は十分に解明されていない。 臨床的な予測因子は限られており、 分子バイオマーカーによる治療反応予測が求められている。
本研究はオランダ (発見コホート) と英国 (検証コホート) のバイオバンクのデータを使用した。 対象は、 アダリムマブ、 ベドリズマブ、 ウステキヌマブの治療開始が予定されている活動性クローン病患者だった。 治療開始前に末梢血白血球を採取し、 全ゲノムDNAメチル化解析およびトランスクリプトーム解析を行い、 機械学習によりDNAメチル化マーカーを特定した。
主要評価項目は、 中央値28週時点における治療反応性 (以下の複合基準) とした。
273例 (発見コホート183例、 検証コホート90例) が登録された。 発見コホートでは、 アダリムマブ18種類、 ベドリズマブ25種類、 ウステキヌマブ68種類のDNAメチル化マーカーが治療反応と関連した。 AUCはアダリムマブが0.86 (95%CI 0.58-0.97)、 ベドリズマブが0.87 (同 0.67-0.98)、 ウステキヌマブが0.89 (同 0.76-1.00) だった。
一方、 検証コホートのAUCは、 アダリムマブが0.25 (同 0.10-0.35)、 ベドリズマブが0.75 (同 0.65-0.85)、 ウステキヌマブが0.75 (同 0.65-0.87) と、 薬剤間で差が認められた。
既存の臨床スコアであるCDSTsを使用した場合のAUCは、 ベドリズマブが0.56 (同 0.44-0.68)、 ウステキヌマブが0.66 (同 0.54-0.77) だった。
さらに抗TNF製剤既治療例では予測精度が低下した (検証コホートのAUC ベドリズマブ0.66 [同 0.55-0.73]、 ウステキヌマブ0.63 [同 0.52-0.70] )。
著者らは、 「末梢血DNAメチル化解析により、 クローン病患者のベドリズマブおよびウステキヌマブに対する治療反応を高精度に予測できることが示された。 これらのモデルは抗TNF未治療患者で特に有用であり、 既存のCDSTsを上回る精度を示した。 一方で、 アダリムマブへの反応の予測は困難だった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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