【第Ⅱ相試験】進行・再発乳癌に対するビノレルビン
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12ヶ月前

【第Ⅱ相試験】進行・再発乳癌に対するビノレルビン

【第Ⅱ相試験】進行・再発乳癌に対するビノレルビン
アントラサイクリン系薬剤とタキサン系薬剤の前治療歴があり、 遠隔転移を有する進行・再発乳癌患者において、 ビノレルビンの効果を検証した単群コホートの第Ⅱ相試験の結果より、 ビノレルビンの有効性が示された。 

原著論文

解析結果

Late phase II clinical study of vinorelbine monotherapy in advanced or recurrent breast cancer previously treated with anthracyclines and taxanes. Jpn J Clin Oncol. 2005 Jun;35(6):310-5. PMID: 15930037

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第Ⅱ相試験の概要

対象

  • アントラサイクリン系とタキサン系の前治療歴があり、 遠隔転移を有する切除不能な進行・再発乳癌患者
  • 前治療の化学療法または放射線治療の最終暴露から試験開始まで少なくとも2週間以上 (トラスツズマブは8週間以上) 
  • ECOG PS0~2

方法

50例に対し、 以下の治療を行った。

ビノレルビン25mg/m² day1,8を3週サイクルで投与。少なくとも3サイクル投与し、 最終データは9サイクルの治療後にカットオフとされた。

評価項目

主要評価項目:奏効率 (ORR) 、 安全性

副次評価項目:無増悪期間 (TTP) 

第Ⅱ相試験の結果

患者背景

  • 年齢中央値:55歳
  • 再発性乳癌:88.0%
  • エストロゲン受容体陽性:44.0%
  • プロゲステロン受容体陽性:32.0%

治療状況

  • 48例 (96%) がプロトコルで規定された3サイクル以上の治療を受けた。
  • サイクル数の中央値は5サイクルであった。

ORR

20.0%

(95%CI 10.0-33.7%)

タキサン系薬剤の前治療別のORR

  • PTXとDTXの両方による治療歴のある患者16例全例がビノレルビンに奏効しなかった。 
  • 前治療がDTXのみの患者では37.5%、 PTXのみの患者では10.0%であった。 

TTP (Kaplan-Meier法による、 50%推定値)

115.0日

有害事象 (AE)

  • 主なAEは骨髄抑制で、 好中球減少 (94%) 、 白血球減少 (92%) 、 赤血球減少 (78%) 、 ヘモグロビン減少 (76%) が高頻度に認められた。
  • Grade3-4のAEは、 好中球減少 (74%) 、 白血球減少 (62%) 、 発熱性好中球減少症 (12%) 、 Grade3-4の好中球減少症を伴う感染症 (12%) 、 ヘモグロビン減少  (10%) 、 食欲不振 (8%) 、 ALT上昇 (6%) 、 嗜眠・倦怠感・無力症 (4%)  、 AST上昇 (4%) 、赤血球輸血 (4%) などが見られた。
  • 好中球減少症により1例の患者で投与量が減量されたが、 AEにより治療を中止した患者はいなかった。 間質性肺炎やイレウスは認められなかった。 
  • 治療に関連した死亡例はなかった。

著者らの結論

アントラサイクリン系薬剤とタキサン系薬剤の前治療歴があり、 遠隔転移を有する進行・再発乳癌患者において、 ビノレルビン単剤療法は有用であることが示された。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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