海外ジャーナルクラブ
1年前
Yuらは、 ERBB2陽性乳癌の患者を対象に、 循環血中心筋細胞セルフリーDNA(cfDNA)が癌治療関連心機能障害(CTRCD)の予測に有用化どうかを前向きコホート研究で検討。 その結果、 アントラサイクリン系薬による化学療法終了後の心筋細胞cfDNA量の増加がCTRCDのリスクと関連することが明らとなった。 本研究はJAMA Cardiol誌において発表された。
新規にバイオマーカーを検討する際には、 既存のすでに実臨床で使用できるマーカーと比較しているとその価値が高まります。
ERBB2陽性乳癌の治療に関連したCTRCDは重篤な心毒性を引き起こす可能性がある。 毒性の早期バイオマーカーを同定することで、 心疾患のサーベイランスや早期薬理学的介入への個別化アプローチを促進できる可能性がある。 心筋細胞由来のcfDNAは急性心傷害時に存在するが、 CTRCDのバイオマーカーとしては確立されていない。
ERBB2陽性乳癌患者:80例
アントラサイクリン系薬剤投与後、 ERBB2標的療法3カ月後と6カ月後に心エコー検査と採血を実施した。
1年時点のCTRCD
71例中10例 (14%) がCTRCDを発症した。
CTRCDを発症した患者の心筋細胞cfDNAのレベルは発症しなかった患者よりも高かった(P=0.004)。
アントラサイクリン化学療法終了後の心筋細胞cfDNA量の増加は、 CTRCDのリスクと関連していた。
アントラサイクリン系薬による化学療法終了後の心筋細胞cfDNA量の増加がCTRCDのリスクと関連することが明らかになった。 心筋細胞cfDNAは、 乳癌患者におけるCTRCDのリスク層別化を精緻化する際の予測バイオマーカーとして有望であり、 その使用はさらなる検証が必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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