海外ジャーナルクラブ
1年前
Lincoffは、 性腺機能低下症の中高年男性を対象に、 テストステロン補充療法の心血管への安全性を多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照非劣性試験で検討。 その結果、 テストステロン補充療法は主要有害心イベントの発生率に関し、 プラセボに比較して非劣性であることが明らかとなった。 本研究はNEJM誌において発表された。
Cardiovascular Safety of Testosterone-Replacement Therapy. N Engl J Med. 2023 Jun 16. PMID: 37326322
研究デザイン自体がかなり慎重な印象を受けますが、 これはIntroductionを読むとFDAがこのデザインの研究をしなさい、 ということであったようです。
性腺機能低下症の中高年男性におけるテストステロン補充療法の心血管安全性は明らかにされていない。
心血管疾患の既往またはリスクが高く、 性腺機能低下症の症状を訴え、 2回の空腹時テストステロン値が1dL当たり300ng未満であった45~80歳の男性患者:5,246例
心血管死、 非致死的心筋梗塞、 非致死的脳卒中のいずれかの初回発生
上記3項目+冠動脈血行再建術のいずれかの初回発生
同様の所見は、 投与中止後の感度分析でも観察された。
副次評価項目のイベント発生率、 あるいは複合主要心血管系エンドポイントの各イベントの発生率は両群で同様であった。
テストステロン群では心房細動、 急性腎障害、 肺塞栓症の発生率が高かった。
性腺機能低下症で心血管疾患の既往がある、 またはリスクが高い男性において、 テストステロン補充療法は主要有害心イベントの発生率に関し、 プラセボに比して非劣性であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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