【NEJM】進行性CKD、RAS阻害薬中止でもeGFRに大きな変化なし
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【NEJM】進行性CKD、RAS阻害薬中止でもeGFRに大きな変化なし

【NEJM】進行性CKD、RAS阻害薬中止でもeGFRに大きな変化なし
Bhandariらは、 進行性の慢性腎臓病 (CKD) 患者を対象に、 レニン・アンジオテンシン系 (RAS) 阻害薬の中止がeGFRに与える影響を多施設共同非盲検試験で検討。 その結果、 RAS阻害薬中止群と継続群の長期的なeGFR低下率に有意な群間差はなかった。 本研究は、 NEJM誌において発表された。

📘原著論文

Renin-Angiotensin System Inhibition in Advanced Chronic Kidney Disease. N Engl J Med. 2022 Dec 1;387(22):2021-2032.PMID: 36326117

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

観察研究で仮説を提唱し、 RCTで介入結果を確認します。 ただ、 RCTはある限られた集団なので一般化に乏しく、 RCT結果をもとにした医療を提供しながらさらなる観察研究を行う必要があります。 本研究成果はまさにそれを表しています。

🔢関連コンテンツ

CKDの診断基準とCGA分類

慢性腎不全の診断基準と重症度分類

eGFR の計算

CreまたはCysCによる推算糸球体濾過量

研究デザイン

対象

進行性の慢性腎臓病患者 (eGFR < 30mL/分/1.73m²)を以下の2群に無作為に割り付け

  • RAS阻害剤による治療を中止する群
  • RAS阻害剤による治療を継続する群

主要評価項目

3年後のeGFR値

副次評価項目

末期腎不全 (ESKD) の発症、 eGFRの50%以上の低下または ESKD を含む腎代替療法の開始の複合、 入院、 血圧、 運動能力、 QOLなど

サブグループ

年齢、 eGFR、 糖尿病のタイプ、 平均動脈圧、 蛋白尿の有無により、 事前に特定したサブグループを定義した

研究結果

主要評価項目

3年後のeGFRの最小二乗平均に有意差なし

  • 治療中止群:12.6±0.7mL/分/1.73m²、
  • 治療継続群:13.3±0.6mL/1.73m²
差:-0.7、 95%CI -2.5-1.0、 P=0.42

事前に規定したサブグループによる転帰の異質性は観察されなかった。

副次評価項目

ESKD または腎代替療法の開始

  • 治療中止群:62% (128名)
  • 治療継続群:56% (115名)
HR 1.28、 95%CI 0.99-1.65

安全性評価

有害事象は中止群と継続群でほぼ同様であった

<心血管イベント>

  • 治療中止群:108名
  • 治療継続群:88名

<死亡>

  • 治療中止群:20名
  • 治療継続群:22名

結論

進行性CKD患者において、 RAS阻害薬中止群と継続群の長期的なeGFRの低下率に有意な群間差を認めなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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