海外ジャーナルクラブ
2年前
Bhandariらは、 進行性の慢性腎臓病 (CKD) 患者を対象に、 レニン・アンジオテンシン系 (RAS) 阻害薬の中止がeGFRに与える影響を多施設共同非盲検試験で検討。 その結果、 RAS阻害薬中止群と継続群の長期的なeGFR低下率に有意な群間差はなかった。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
観察研究で仮説を提唱し、 RCTで介入結果を確認します。 ただ、 RCTはある限られた集団なので一般化に乏しく、 RCT結果をもとにした医療を提供しながらさらなる観察研究を行う必要があります。 本研究成果はまさにそれを表しています。
進行性の慢性腎臓病患者 (eGFR < 30mL/分/1.73m²)を以下の2群に無作為に割り付け
3年後のeGFR値
末期腎不全 (ESKD) の発症、 eGFRの50%以上の低下または ESKD を含む腎代替療法の開始の複合、 入院、 血圧、 運動能力、 QOLなど
年齢、 eGFR、 糖尿病のタイプ、 平均動脈圧、 蛋白尿の有無により、 事前に特定したサブグループを定義した
3年後のeGFRの最小二乗平均に有意差なし
事前に規定したサブグループによる転帰の異質性は観察されなかった。
ESKD または腎代替療法の開始
有害事象は中止群と継続群でほぼ同様であった
<心血管イベント>
<死亡>
進行性CKD患者において、 RAS阻害薬中止群と継続群の長期的なeGFRの低下率に有意な群間差を認めなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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