【IMpower030】切除可能NSCLCにおける周術期アテゾリズマブ、 EFSで有意差なし
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HOKUTO編集部

1ヶ月前

【IMpower030】切除可能NSCLCにおける周術期アテゾリズマブ、 EFSで有意差なし

【IMpower030】切除可能NSCLCにおける周術期アテゾリズマブ、 EFSで有意差なし
切除可能なStage Ⅱ~ⅢB期の非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象に、 周術期のアテゾリズマブ+プラチナ製剤ベース化学療法 (以下、 アテゾリズマブ+化学療法) の有効性および安全性について、 プラセボ+プラチナ製剤ベース化学療法 (以下、 プラセボ+化学療法) と比較した第Ⅲ相無作為化比較試験IMpower030の最終解析の結果が報告された。 最終解析では、 主要評価項目である無イベント生存期間 (EFS) 中央値はアテゾリズマブ+化学療法群で62.8ヵ月、 プラセボ+化学療法群で34.9ヵ月であり、 両群間で有意差は認められなかった。オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CenterのBenjamin Solomon氏が発表した。

背景

周術期投与の有用性を検証する最終解析

免疫チェックポイント阻害薬は切除可能NSCLCの標準治療となっており、 化学療法との併用による術前補助療法、 術後補助化学療法後の術後補助療法、 術前から術後までの周術期治療のいずれにおいても臨床的ベネフィットが示されている。

抗PD-L1抗体のアテゾリズマブに関しては、 切除可能なPD-L1陽性 (TC≧1%) のⅡ~ⅢA期NSCLC患者において、 プラチナ製剤ベースの術後補助化学療法後に投与することでbest supportive care (BSC) と比べて疾患再発リスクが30%低下し、 死亡リスクが23%低減したことが報告されている。 今回は、 周術期を通じたアテゾリズマブ投与を検証した第Ⅲ相試験であるIMpower030の最終解析の結果が報告された。

試験の概要

対象は切除可能Stage Ⅱ~ⅢB期NSCLC

対象は、 R0切除が可能でECOG PS 0/1、 EGFR/ALK野生型のStage Ⅱ期、 ⅢA期、 一部の選択されたStage ⅢB期 (T3N2) のNSCLC患者とした。 層別因子は病期と組織型であった。対象者は以下の2群に1:1で無作為に割り付けられた。

  • アテゾリズマブ+化学療法群
術前にアテゾリズマブ1,200 mgとプラチナ製剤ベースの化学療法を3週ごとに4サイクル受け、 術後にはアテゾリズマブ1,200 mgを3週ごとに16サイクル受ける
  • プラセボ+化学療法群
術前にプラセボとプラチナ製剤ベースの化学療法を3週ごとに4サイクル受け、 術後にはBSCを受ける

主要評価項目はStage ⅡB~ⅢB期の野生型集団 (397例) における独立評価機関 (IRF) の判定によるEFS (IRF-EFS) であった。副次評価項目は病理学的完全奏効 (pCR) 率、 主要病理学的奏効 (MPR) 率、 担当医 (INV) の評価によるEFS (INV-EFS)、 無病生存期間 (DFS)、 全生存期間 (OS)、 安全性であった。データカットオフは2025年10月1日、 追跡期間中央値は69.3ヵ月であった。

試験の結果

EFSは両群間で有意差なし

主要評価項目であるStage ⅡB~ⅢB期の野生型集団 (以下、 Stage ⅡB~ⅢB期-WT集団、 397例) におけるIRF判定のEFS中央値は、 アテゾリズマブ+化学療法群で62.8ヵ月 (95%CI 41.4ヵ月–NE)、 プラセボ+化学療法群で34.9ヵ月 (95%CI 24.6–63.8ヵ月) であった。 HRは0.77 (95%CI 0.58–1.02、 両側p=0.07) で、 両群間に有意差は認められなかった。 60ヵ月EFS率はそれぞれ50.5%、 44.3%であった。

ITT-WT集団ではアテゾリズマブ群で数値的に良好

ITT-野生型集団 (以下、 ITT-WT集団、 計440例) におけるIRF判定によるEFS中央値は、 アテゾリズマブ+化学療法群が67.2ヵ月、 プラセボ+化学療法群が43.9ヵ月 (HR 0.75、 95%CI 0.57–0.98)、 OS中央値はそれぞれNE、 81.7ヵ月 (HR 0.77、 95%CI 0.57–1.05)、 DFS中央値はそれぞれ82.7ヵ月、 54.4ヵ月 (HR 0.67、 95%CI 0.49–0.90) であった。

主要評価項目が有意差に至らなかったため、 これら以降の評価項目は正式な検定が行われていないが、 いずれもプラセボ+化学療法群と比べてアテゾリズマブ+化学療法群で良好な結果を示した。

pCR率は30.6% vs 8.6%

ITT-WT集団におけるIRF判定によるpCR率は、 アテゾリズマブ+化学療法群が30.6%、 プラセボ+化学療法群が8.6%、 MPR率はそれぞれ54.3%、 24.9%であった。根治手術の施行率はアテゾリズマブ+化学療法群が88.9%、 プラセボ+化学療法群が89.7%といずれも高く、 R0切除率はそれぞれ96.5%、 91.5%であった。

Grade 3/4の有害事象は63.3% vs 65.6%

全期間を通じたGrade 3/4の有害事象は、 アテゾリズマブ+化学療法群で63.3%、 プラセボ+化学療法群で65.6%にみられた。 Grade 5の発現率はそれぞれ4.9%、 1.8%であった。有害事象による治療中止例の割合はアテゾリズマブ+化学療法群で32.3%、 プラセボ+化学療法群で17.0%であり、 特に注目すべき有害事象 (AESI) の発現率はそれぞれ64.6%、 38.4%であった。

結論

先行試験と比べて対照群の成績が良好、 患者集団に違いか

Solomon氏は、 「IMpower030試験ではⅡB~ⅢB期-WT集団においてIRF判定によるEFSの改善という主要評価項目の達成には至らなかった。 一方、 正式な統計学的検定は行われていないものの、 ITT-WT集団においてIRF判定によるEFSおよびOSはいずれもプラセボ群と比較してアテゾリズマブ群で良好な結果を示した」 と結論。 また、 「プラセボ群の成績が過去の周術期免疫療法試験の対照群を上回っており (手術中止率10% vs 19~22%、 OS中央値81.7ヵ月 vs 53.2~73.7ヵ月)、 患者集団の違いが示唆された」 と述べた。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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