海外ジャーナルクラブ
8日前
Van der Rijstらは、 中等症~重症のアトピー性皮膚炎を有する12~17歳の患者を対象に、 デュピルマブ、 メトトレキサート、 シクロスポリンAによる治療の継続状況を多施設共同コホート研究で検討した。 3年後までの治療継続状況を調査した結果、 デュピルマブの継続率が最も高いことが確認された。 本研究は、 JAMA Dermatol誌にて発表された。
薬を中止した理由が"well-controlled disease"である割合は、 シクロスポリンAが10.2%、 メトトレキサートが6.4%、 デュピルマブが3.1%のようです。
デュピルマブ、 メトトレキサート、 シクロスポリンAは、小児の難治性アトピー性皮膚炎に対する治療法である。 しかし、 これらの治療法を比較した長期的なデータは不足している。
2013~2023年にオランダ5施設を受診し、 デュピルマブ、 メトトレキサート、 シクロスポリンAによる治療を受けた12~17歳のアトピー性皮膚炎の患者362例を対象に、 2つのレジストリ*¹の登録データと電子診療記録を基に治療情報*²を確認した。
主要評価項目は薬剤を継続している期間 (drug survival) であり、 1年後、 2年後、 3年後の継続率を調査した。 また、 薬剤を中止した場合は、 その理由について評価を行った。
対象患者362例から、 合計502の治療エピソードが特定された (デュピルマブ 192例、 メトトレキサート 94例、 シクロスポリンA 216例)。
治療開始時の平均年齢は12.9歳 (標準偏差3.8) で、 272の治療エピソード (54.2%) は女児の患者であった。
1~3年後の薬剤継続率は以下の通りであり、 デュピルマブの継続率が高かった。
デュピルマブ
1年後 84.1%、 2年後 72.3%、 3年後 62.0%
メトトレキサート
1年後 60.7%、 2年後 39.3%、 3年後 25.3%
シクロスポリンA
1年後 43.9%、 2年後 21.5%、 3年後 10.4%
薬剤の中止理由として最も多かったのは 「無効」 (35.5%、 178エピソード) であった。 薬剤別では、 シクロスポリンAで122エピソードと大きな割合を占めていた。
多変量Cox回帰分析の結果、 メトトレキサートおよびシクロスポリンAはデュピルマブに比べ、 無効による使用中止率が高く、 HRはそれぞれ4.45 (95%CI 2.38-8.34) および10.88 (95%CI 6.23-19.02)であった。 また、 有害事象による使用中止率も高く、 HRはそれぞれ4.39 (95%CI 2.05-9.39)および3.83 (95%CI 1.85-7.92) であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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