海外ジャーナルクラブ
2年前
Borghaeiらは、 進行性非小細胞肺癌患者を対象に、 一次治療に用いるニボルマブ+イピリムマブ併用の臨床的有用性を4試験の統合解析で検討した。 その結果、 統合患者集団における長期生存ベネフィットと持続的奏効は、 一次治療としてのニボルマブ+イピリムマブ併用療法をさらに支持するものであった。 本研究は、 Ann Oncol誌において発表された。
結局humanは複雑なので、 究極には多数のモノクローナル抗体を集めたモノクローナルカクテル療法に向かっていくのかもしれません。
進行性非小細胞肺癌において、 ニボルマブ+イピリムマブ併用による一次治療は生存期間を延長する。
進行性非小細胞肺癌におけるニボルマブ+イピリムマブ併用の一次治療に関する4試験
全生存期間(OS)、 無増悪生存期間(PFS)、 全奏効率(ORR)、 奏効持続時間(DOR)、 安全性が評価された。
ニボルマブ+イピリムマブの併用療法で奏効した患者の6カ月後の奏効状況別、 腫瘍負担軽減度別のOSのランドマーク解析も評価された。
最小追跡期間29.1~58.9ヵ月で統合した集団 (1,332名) において、 OS中央値は18.6カ月、 3年OS率は35%、 PFS中央値は5.4カ月 (3年PFS率 17%) であった。 ORRは36%、 DOR中央値は23.7カ月で、 奏効者の38%は3年後も奏効が持続していた。
PD-L1が1%未満、 1%以上、 1~49%、 50%以上の患者において、 3年OS率は30%、 38%、 30%、 48%であった。
扁平上皮、 非扁平上皮の組織型では、 3年OS率は30%、 38%であった。
75歳以上の患者における有効性の結果は、 統合された全体集団と同様であった (OS中央値20.1カ月、 3年OS率34%)。
ニボルマブ+イピリムマブ併用療法により6カ月時点で奏効した患者は、 病勢が安定または進行した患者よりもランドマーク後のOSが長かった (3年OS率:66%、 22%、 14%)。
奏効の程度は生存期間の延長と関連していた。
腫瘍負荷の軽減が80%以上、 50~80%、 30~50%の患者では、 3年OS率はそれぞれ85%、 72%、 44%であった。
統合された集団では、 新たな安全性シグナルは確認されなかった。
統合患者集団における長期生存ベネフィットと持続的奏効は、 進行性非小細胞肺癌に対する第一選択治療としてのニボルマブ+イピリムマブ併用療法をさらに支持するものである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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