海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前

Chiesaらは、 再発または難治性T細胞性急性リンパ芽球性白血病 (T-ALL) 患者を対象に、 抗CD7塩基編集CAR-T細胞 ( BE-CAR7 ) 療法の安全性および有効性を第Ⅰ相試験で評価した。 その結果、 BE-CAR7療法は高率で寛解を誘導し、 同種造血幹細胞移植へのブリッジング治療として有望であった。 本研究はN Engl J Med誌において発表された。
BE-CAR7療法は同種造血幹細胞移植へのブリッジを目的としているため、 長期予後は移植効果と切り離して評価できず、 BE-CAR7単独の持続的治療効果は明確ではありません。
塩基編集をしたCAR7 T細胞治療、再発T細胞ALLでの安全性を検討
CD7は、 再発または難治性T-ALLにおいて、 CAR-T細胞療法の有望な治療標的と位置付けられている。 塩基編集 (C→T脱アミノ化) によりTCRαβ、 CD52、 CD7をトリプルノックアウトしたBE-CAR7は、 ヒト初回投与試験 (First in Human試験) で良好な結果が報告されている。
そこで第Ⅰ相試験で、 BE-CAR7療法の安全性および有効性を評価した。
フルダラビン+シクロホスファミド+アレムツズマブによるリンパ球除去療法を受けた再発または難治性T-ALLの小児 (16歳以下) 患者9例およびコンパッショネート・ユースの適用がある成人患者2例にBE-CAR7を投与した。 BE-CAR7注入後28日目までに寛解が得られた患者は、 同種造血幹細胞移植へ進んだ。
主要評価項目は安全性、 副次評価項目は寛解期間、 無病生存期間 (DFS)、 全生存期間 (OS) などであった。
リンパ球除去療法およびBE-CAR7注入のいずれにおいても許容できない有害事象 (AE) の発現は認められなかった。 循環CAR7-T細胞は全例で検出され、 BE-CAR7の体内生着が確認された。
合併症として、 Grade1~4のサイトカイン放出症候群、 一過性の発疹、 多系統細胞減少症、 日和見感染症などが報告された。
全例で、 28日目に血球回復不完全を伴う形態学的完全寛解が認められた。
また、 9例 (82%) でフローサイトメトリーまたはポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) アッセイによる評価で深い寛解が確認され、 同種造血幹細胞移植へ進むことが可能であった。 一方、 骨髄中に定量可能な微小残存病変 (MRD) を認めた2例は、 移植には至らず緩和ケアが選択された。
同種造血幹細胞移植後には、 体内に残存していたBE-CAR7は除去され、 ドナー由来の多系統血球の再構成が確立された。
また、 移植後にはウイルス再活性化が高頻度で認められ、 3例で臨床的に重大なウイルス関連合併症が発生した。
全体として、 治療を受けた11例のうち7例 (64%) では、 移植後3~36ヵ月時点で寛解を維持していた一方で、 2例でCD7発現の消失を伴う白血病再発が記録された。
著者らは 「BE-CAR7療法は、 再発または難治性T-ALL患者において寛解を誘導し、 その結果、 ほとんどの患者で同種造血幹細胞移植を成功させることができた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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