【JAMA Neurol】難聴合併MCI、 補聴器は認知症移行の抑制示せず
著者

海外ジャーナルクラブ

1日前

【JAMA Neurol】難聴合併MCI、 補聴器は認知症移行の抑制示せず

【JAMA Neurol】難聴合併MCI、 補聴器は認知症移行の抑制示せず
Chenらは、 中等度~重度の難聴と軽度認知障害 (MCI) を合併する60歳以上の高齢者を対象に、 補聴器介入を聴覚ケア教育と比較する多施設共同・非盲検の無作為化比較試験CHOICEを実施。 その結果、 24ヵ月間の認知症レベルへの移行率は、 補聴器介入群で3.09%、 聴覚ケア教育群で4.74%であり、 両群間で有意差は認められなかった。 一方、 事前規定の副次評価項目である認知機能の改善率は、 聴覚ケア教育群に比べて、 補聴器介入群で高かった。 試験結果はJAMA Neurol誌に発表された。

📘原著論文

Hearing Intervention for Older Adults With Mild Cognitive Impairment: The CHOICE Randomized Clinical Trial. JAMA Neurol. 2026 Sep 28; e263395. Online ahead of print. PMID: 42804222

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

CDRスコア0.5という適格基準が研究計画書に事前規定されておらず、 選択バイアスや研究の透明性に問題が生じた可能性があります。

関連コンテンツ

🔢 CDR / CDR-SB / CDR-GS

認知機能の評価スケール

🔢HDS-R (改訂長谷川式簡易知能評価スケール)

認知機能の評価法

🔢 MMSE (ミニメンタルステート検査)

認知機能の評価法

難聴がパーキンソン病の発症リスクと関連

海外ジャーナルクラブ : JAMA Neurol. 2024;81(12):1295-1303

背景

難聴への介入が認知機能の維持や改善につながるかは不明

難聴は認知機能低下の修正可能な危険因子であるが、認知機能の維持や改善における聴覚介入の効果については議論が分かれている。 本研究は、 難聴と軽度認知障害 (MCI) を合併する高齢者において、 聴覚介入が認知症レベルの認知機能障害の発生を減らせるかどうかについて検討した。

研究デザイン

703例を補聴器介入と聴覚ケア教育に1:1で無作為化

本試験は、 中国・上海の三次医療機関の耳科外来3施設とCHOICEコホートに参加する地域保健ステーション3施設で実施された多施設共同・並行群間・非盲検の無作為化比較試験である。 試験は2021年9月~2024年2月に実施され、 追跡期間は24ヵ月であった。 追跡は2026年2月に完了した。

60歳以上の2万1,908例が適格性を評価され、 MCI (Clinical Dementia Rating [CDR] 全般スコア0.5) と中等度~重度の難聴を合併する703例が登録された。 患者は以下の2群に1:1で無作為に割り付けられた。

  • 補聴器介入群 (353例)
  • 聴覚ケア教育群 (対照群、 350例)

主要評価項目は24ヵ月間のMCIから認知症レベルの認知機能障害への移行率(CDR全般スコアが1以上となった患者の割合)とし、 事前規定の主要な副次評価項目は認知機能の改善率 (CDR全般スコアが0となった患者の割合) およびCDR全般スコア・領域別スコアとした。

結果

703例のうち610例が24ヵ月の試験を完遂

無作為化された703例の平均年齢は74.53歳 (標準偏差 [SD] 7.16、 範囲60~96歳) で、 女性は250例 (35.56%)、 男性は453例 (64.44%) であった。 このうち610例 (86.77%) が試験を完遂した。

主要評価項目は有意差なし

24ヵ月間の認知症レベルの認知機能障害への移行率は、 補聴器介入群で3.09% (95%CI 1.62-5.74%)、 対照群で4.74% (95%CI 2.60-8.29%) であり、 両群間に有意差は認められなかった (リスク差 [RD] -2.07%, 95%CI -4.74~0.61%, 相対リスク [RR] 0.59, 95%CI 0.25-1.38, p=0.23)。

認知機能が改善した割合は補聴器介入群で高値

事前規定の副次評価項目である認知機能の改善率は対照群の2.36% (95%CI 0.99-5.22%) に対して補聴器介入群では15.34% (95%CI 11.84-19.62%)と高かった (RD 12.00%, 95%CI 8.79-15.21%, RR 5.94, 95%CI 2.46-14.37)。

試験関連の有害事象なし

試験に関連した有害事象は報告されなかった。

結論

主要評価項目で補聴器介入の有益性は示されず

著者らは、 「難聴とMCIがある高齢者において、 補聴器による介入は24ヵ月以内の認知症レベルの認知機能障害への進行を有意に抑制しなかった」と報告している。

ポストのGif画像
【JAMA Neurol】難聴合併MCI、 補聴器は認知症移行の抑制示せずの全コンテンツは、医師会員限定でアプリからご利用いただけます*。
*一部のコンテンツは非医師会員もご利用いただけます
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
【JAMA Neurol】難聴合併MCI、 補聴器は認知症移行の抑制示せず