海外ジャーナルクラブ
8日前
Kelleyらは、 男性およびジェンダー多様な参加者を対象に、 レナカパビル年2回皮下投与によるヒト免疫不全ウイルス (HIV) 感染予防の有効性を第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験PURPOSE 2で検討した。 その結果、 レナカパビル年2回投与後のHIV感染率は、 背景発生率およびF/TDFを投与した場合よりも有意に低かった。 試験結果はNEJM誌に発表された。
F/TDF群でHIV感染と診断された参加者全9例は、 服薬アドヒアランスが低いかまったく遵守されていない、 または診断の10日以上前にF/TDFの服用を中止していたとのことです。
HIV-1カプシド阻害薬レナカパビルは、 これまでにシスジェンダー女性でのHIV感染予防効果が確認されているが、 シスジェンダー男性、トランスジェンダー女性・男性、 ならびにジェンダーノンバイナリーの人々での曝露前予防 (PrEP) の有効性は明らかになっていない。
参加者はレナカパビルを26週ごとに皮下投与するレナカパビル群と、 エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩 (F/TDF) を毎日経口投与するF/TDF群に2:1で割り付けられた。
主要評価項目は、 レナカパビル群のHIV感染率とスクリーニング集団におけるHIV感染の背景発生率との比較であった。 副次評価項目は、 レナカパビル群とF/TDF群間のHIV感染率の比較であった。
修正intent-to-treat解析に組み入れられた3,265例のうち、 レナカパビル群の2例 (0.10例/100人年、 95%CI 0.01-0.37例/100人年)、 F/TDF群の9例 (0.93例/100人年、 95%CI 0.43-1.77例/100人年) がHIVに感染した。
スクリーニング集団 (4,634例) におけるHIV感染の背景発生率は2.37例/100人年 (95%CI 1.65-3.42例/100人年) であった。
レナカパビル群の感染率は背景発生率と比較して有意に低く (感染率比 0.04、 95%CI 0.01-0.18、 p<0.001)、 F/TDF群の感染率との比較でも有意に低かった (感染率比 0.11、 95%CI 0.02-0.51、 p=0.002)。
安全性に懸念は認められなかったが、 注射部位反応により治療中止した症例は、 レナカパビル群が1.2%、 F/TDF群が0.3%であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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