海外ジャーナルクラブ
1年前
Semmlerらは、 慢性肝疾患の患者を対象に、 肝硬度測定 (Liver Stiffness Measurement:LSM) 値の動態による肝臓関連イベントおよび死亡に対する予後予測能を後ろ向きコホート研究で検討。 その結果、 LSM値の動態が肝臓の転帰を予測する能力を有することが確認された。 本研究は、 Gastroenterology誌において発表された。
単施設後ろ向き観察研究結果であり、 アルコール関連が8%程度と極めて少ない印象です。
肝疾患の進行と退縮を非侵襲的にモニタリングするためのツールとして広く用いられている。
180日以上の間隔でLSMを2回以上受けた慢性肝疾患患者を対象に、以下の群に層別化した。
連続したLSM値と臨床転帰に関するデータの収集
患者2,508例より、 8,561件の信頼できるLSM値が得られた。
nonACLDの0.4%、 およびcACLDの10.9%が肝不全となった。
cACLD患者においては、 LSM値が20%上昇した場合、 肝不全(HR 1.58、 95%CI 1.41-1.79、 p<0.001) と肝関連死(HR 1.45、 95%CI 1.28-1.68、 p<0.001) のリスクが約50%上昇した。
LSM値の動態による肝不全の予測精度は高く (受信者操作特性曲線下面積:0.933) 、 Fibrosis-4スコア (0.873) 、 Model for End-Stage Liver Disease (0.835) 、 単一時点LSM (ベースライン時のLSM:0.846、 2回目のLSM:0.880) よりも優れていた。
LSMが20kPa未満に低下した場合、 cACLD患者の肝不全リスクが大幅に低下した。
LSM値の評価を繰り返すことで、慢性肝疾患患者の肝不全や肝関連死亡の詳細かつタイムリーなリスク評価が可能となる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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