海外ジャーナルクラブ
28日前

Fieldsらは、 免疫療法を受けたメラノーマまたは肉腫患者を対象に、 社会的脆弱性、 食物繊維摂取量、 腸内細菌叢が治療反応および生存転帰に及ぼす影響を前向きに検証した。 その結果、 社会的脆弱性の高さは、 食物繊維摂取量の低下や不良な腸内細菌叢構成に関連していたものの、 全生存期間(OS)の悪化とは関連しなかった。 一方で、 食物繊維摂取は、 腸内細菌叢構成を良好なものとし、 特に社会的脆弱性が高い患者層では、 高摂取により生存の改善も示した。 試験結果はCancer誌に発表された。
社会的脆弱性指数 (SVI)は地域レベルの指標であり、 個々の社会経済状況を正確に反映しない可能性 (生態学的誤謬) がある点に注意が必要です。
社会的脆弱性、 食物繊維摂取、 腸内細菌叢は、 それぞれがメラノーマおよび肉腫患者の臨床転帰に関与することが示唆されている。 本研究では、 社会的脆弱性が食物繊維摂取不足と関連し、 さらに腸内細菌叢の構成および臨床転帰に負の関連を示すとの仮説を検証した。
対象は、 免疫療法を受けたメラノーマまたは肉腫患者153例とした。 臨床病理学的データ、 ベースラインの食物繊維摂取量、 腸内細菌叢プロファイルを評価し、 患者の社会的脆弱性指数 (SVI) および食物繊維摂取量について、 腸内細菌叢の構成、 治療反応、 OSとの関連を前向きに検討した。
SVI中央値は0.4 (四分位範囲[IQR] : 0.2-0.7)、 食物繊維摂取量中央値は17g/日 (IQR : 15-20) であった。
SVIは、 食物繊維摂取量と負の相関を示し (r=-0.18、 p=0.0398)、 α多様性などの良好な微生物学的指標とも負の関連を示した (p<0.001)。
食物繊維摂取量は、 良好な微生物学的指標と正の関連を示し、 食物繊維摂取量の増加は免疫療法への治療反応とも関連していた。
社会的脆弱性によるOS中央値の差は認められなかったが (脆弱性高 vs 脆弱性低 : 未到達 vs 81.7ヵ月)、 社会的脆弱性が高い患者層では、 食物繊維摂取量が多い患者群で優位性が認められた (高摂取 vs 低摂取 : 未到達 vs 58.9ヵ月)。
著者らは、 「社会的脆弱性は不利な腸内細菌叢と関連していたが、 OS悪化とは関連しなかった。 一方で、 食物繊維の高摂取は、 特に社会的脆弱性が高い患者において、 治療転帰を改善し得る修正可能な因子であることが示唆された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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