海外ジャーナルクラブ
12ヶ月前
松澤氏らは非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象に、 免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) +殺細胞性抗癌薬の1次治療後におけるドセタキセル (DTX) +ヒト型抗VEGFR−2モノクローナル抗体ラムシルマブ (RAM) 併用療法の有効性と安全性について、 第Ⅱ相多施設共同臨床試験SCORPIONで検討した。 その結果、 DTX+RAM併用療法は、 ICI+殺細胞性抗癌薬併用療法が無効となったNSCLC患者に対して有望な治療選択肢であることが示唆された。 本研究はeClinicalMedicineにおいて発表された。
第Ⅱ相試験のため、 コントロール群を置いた第Ⅲ相試験結果が待たれます。
NSCLCにおいて、 DTX+RAM併用療法は免疫療法が日常診療で使用可能となる以前から2次治療として既に国内で承認されている。 しかし、 ICI+殺細胞性抗癌薬の併用療法が無効となった後のDTX+RAM併用療法の有効性と安全性については、 さらなる検討が必要とされている。
ステージⅣまたは術後再発NSCLCで、 ICI+殺細胞性抗癌薬併用療法による1次治療が無効となり、 全身状態が良好な患者
2020年1月~21年8月に8施設で登録された32例に以下を投与した。
1日目 : DTX60mg/m²+RAM10mg/kg
2日目 : ペグフィルグラスチム3.6mg (3週ごと)
奏効率 (ORR)
OS、 無増悪生存 (PFS) 、 安全性
ORR : 34.4%
OS中央値 : 17.5ヵ月
PFS中央値 : 6.5ヵ月
自覚的な有害事象としては、 倦怠感、 脱毛の頻度が多く、 Grade3以上の有害事象としては、 発熱性好中球減少症、 出血イベント等が認められたが、 治療関連死は発生しなかった。
DTX+RAM療法は、 ICI+殺細胞性抗癌薬併用療法が無効となったNSCLCに対して有望な治療選択肢であることが示唆された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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