【Lancet】原発進行型多発性硬化症、 ocrelizumabが障害進行30%抑制
著者

海外ジャーナルクラブ

19日前

【Lancet】原発進行型多発性硬化症、 ocrelizumabが障害進行30%抑制

【Lancet】原発進行型多発性硬化症、 ocrelizumabが障害進行30%抑制
Giovannoniらは、 高齢例や障害進行例を含む原発進行型多発性硬化症 (PPMS) 患者を対象に、 抗CD20モノクローナル抗体ocrelizumabによる手指機能温存効果を第Ⅲb相無作為化比較試験 (ORATORIO-HAND) にて検討した。 その結果、 9-Hole Peg TestまたはEDSSで定義した12週間の持続的障害進行のリスクは、 ocrelizumab群でプラセボ群より30%低下した。 また、 MRI活動性サブグループでは、 55%のリスク低下が認められた。試験結果はLancet誌に発表された。

📘原著論文

Efficacy and safety of ocrelizumab in primary progressive multiple sclerosis, including older patients and those with more advanced disease (ORATORIO-HAND): a multicentre, double-blind, randomised, placebo-controlled, phase 3b study. Lancet. 2026; 407(10544): 2195-2207. PMID: 42208561

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

ocrelizumabは主要評価項目において相対リスクを30%低減しましたが、 絶対リスク減少は7%に留まり、 治療を受けた患者の約3分の1で12週間確認された身体障害進行が認められました点はlimitationです。

🔢関連コンテンツ

EDSS / FS

多発性硬化症の総合障害度評価尺度と機能別障害度

脳梁インデックス (CCI)

多発性硬化症の脳萎縮指標

NEDA-4の定義

多発性硬化症の疾患活動性

背景

高齢・進行例を含むPPMSで手指機能温存効果を検証

Ocrelizumabは、 ORATORIO試験において、 原発進行型多発性硬化症 (PPMS) 患者でプラセボに比べ障害進行リスクを低減した。

今回のORATORIO-HAND試験では、 高齢や障害の進んだPPMS患者における手指機能温存効果について検討した。

研究デザイン

12週間の持続的障害進行の発生を評価

本研究 (ORATORIO-HAND) は、 22ヵ国で実施した第Ⅲb相の多施設共同・二重盲検・プラセボ対照・無作為化比較試験である。

対象は、 18~65歳でEDSSスコア3.0-8.0のPPMS患者であり、 ocrelizumab600mg静注群またはプラセボ群に1:1で割り付けられ、 6ヵ月ごとに144週まで、 または事前規定された障害進行イベント数に達するまで投与された。

評価項目は、 障害進行発生とし、 全割付患者と、 ベースライン時にMRIで活動性が認められた患者の2集団でそれぞれ評価した。 障害進行は、 9-Hole Peg TestまたはEDSSによる12週間の持続的障害進行 (12W-cCDP) にて定義した。

結果

全体では障害進行リスク30%減

1,013例が無作為割付された (ocrelizumab群 : 505例、 プラセボ群 : 508例)。

12W-cCDPで定義される障害進行は、 ocrelizumab群で相対リスクが30%有意に減少した。

障害進行 (12W-cCDP)

  • ocrelizumab群 : 165/505例 (33%)
  • プラセボ群 : 205/508例 (40%)
HR 0.70 (95%CI 0.57-0.86、 p=0.0007) 

MRI活動性例ではリスク55%減

MRI活動性サブグループでも、 12W-cCDPの有意なリスク減少が認められた (リスク減少55% [p<0.0001])。

安全性は同等

全体の安全性プロファイルは両群で同様であった。 ocrelizumab群でより多く感染症が認められたが (48% vs 45%)、 COVID-19除外後は差はなかった (38% vs 37%)。 重篤有害事象・重篤感染症の発生率は両群で同様であった。

結論

高齢・進行例を含む患者で障害進行を遅延

著者らは、 「ocrelizumabは、 高齢・障害進行例を含む幅広いPPMS集団において、 管理可能な安全性を維持しつつ、 手指機能への効果をもって障害進行を有意に遅延させた」 と報告している。

ポストのGif画像
【Lancet】原発進行型多発性硬化症、 ocrelizumabが障害進行30%抑制の全コンテンツは、医師会員限定でアプリからご利用いただけます*。
*一部のコンテンツは非医師会員もご利用いただけます
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
【Lancet】原発進行型多発性硬化症、 ocrelizumabが障害進行30%抑制