海外ジャーナルクラブ
19日前

Giovannoniらは、 高齢例や障害進行例を含む原発進行型多発性硬化症 (PPMS) 患者を対象に、 抗CD20モノクローナル抗体ocrelizumabによる手指機能温存効果を第Ⅲb相無作為化比較試験 (ORATORIO-HAND) にて検討した。 その結果、 9-Hole Peg TestまたはEDSSで定義した12週間の持続的障害進行のリスクは、 ocrelizumab群でプラセボ群より30%低下した。 また、 MRI活動性サブグループでは、 55%のリスク低下が認められた。試験結果はLancet誌に発表された。
ocrelizumabは主要評価項目において相対リスクを30%低減しましたが、 絶対リスク減少は7%に留まり、 治療を受けた患者の約3分の1で12週間確認された身体障害進行が認められました点はlimitationです。
Ocrelizumabは、 ORATORIO試験において、 原発進行型多発性硬化症 (PPMS) 患者でプラセボに比べ障害進行リスクを低減した。
今回のORATORIO-HAND試験では、 高齢や障害の進んだPPMS患者における手指機能温存効果について検討した。
本研究 (ORATORIO-HAND) は、 22ヵ国で実施した第Ⅲb相の多施設共同・二重盲検・プラセボ対照・無作為化比較試験である。
対象は、 18~65歳でEDSSスコア3.0-8.0のPPMS患者であり、 ocrelizumab600mg静注群またはプラセボ群に1:1で割り付けられ、 6ヵ月ごとに144週まで、 または事前規定された障害進行イベント数に達するまで投与された。
評価項目は、 障害進行発生とし、 全割付患者と、 ベースライン時にMRIで活動性が認められた患者の2集団でそれぞれ評価した。 障害進行は、 9-Hole Peg TestまたはEDSSによる12週間の持続的障害進行 (12W-cCDP) にて定義した。
1,013例が無作為割付された (ocrelizumab群 : 505例、 プラセボ群 : 508例)。
12W-cCDPで定義される障害進行は、 ocrelizumab群で相対リスクが30%有意に減少した。
障害進行 (12W-cCDP)
HR 0.70 (95%CI 0.57-0.86、 p=0.0007)
MRI活動性サブグループでも、 12W-cCDPの有意なリスク減少が認められた (リスク減少55% [p<0.0001])。
全体の安全性プロファイルは両群で同様であった。 ocrelizumab群でより多く感染症が認められたが (48% vs 45%)、 COVID-19除外後は差はなかった (38% vs 37%)。 重篤有害事象・重篤感染症の発生率は両群で同様であった。
著者らは、 「ocrelizumabは、 高齢・障害進行例を含む幅広いPPMS集団において、 管理可能な安全性を維持しつつ、 手指機能への効果をもって障害進行を有意に遅延させた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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