海外ジャーナルクラブ
10日前

Singlaらは、 腹壁形成術後に中等度~重度の疼痛を有する343例を対象とした第Ⅱb相二重盲検無作為化比較試験において、 非オピオイド機序の開発候補薬であるNaV1.8阻害薬LTG-001の有効性および安全性について、 プラセボおよびhydrocodone/アセトアミノフェンと比較検討した。 その結果、低用量および高用量のNaV1.8阻害薬LTG-001 は、 いずれも48時間の治療期間における疼痛強度を改善した。 試験結果はNEJM誌に発表された。
臨床では急性疼痛は多剤併用で管理されるのに対し、 本試験ではLTG-001を単剤で評価しており、 実臨床での併用療法における有効性は明らかではありません。
【NEJM】術後急性疼痛をNaV1.8選択的阻害薬「VX-548」が軽減
NaV1.8は末梢神経系に発現する電位依存性ナトリウムチャネルであり、 疼痛シグナル伝達において重要な役割を担っている。 NaV1.8阻害薬については、 これまでの試験で術後疼痛を軽減する効果が示されている。
本試験は腹壁形成術後に中等度~重度の疼痛を有する患者を対象とした第Ⅱb相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験である。 343例が以下の4群に1:1:1:1で無作為化され、 いずれも48時間にわたり経口投与された。
主要評価項目は48時間の治療期間におけるSPID48*、 副次評価項目はオピオイドレスキュー薬の使用量 (モルヒネ換算量 ; MME) およびオピオイドレスキュー薬を全く使用しなかった患者の割合とした。
SPID48の最小二乗平均は、 LTG-001低用量群で161.05 (95%CI 142.93-179.16)、 LTG-001高用量群で185.30 (95%CI 167.26-203.34)、 hydrocodone/アセトアミノフェン群で164.08 (95%CI 146.02-182.14)、 プラセボ群で123.22 (95%CI 105.23-141.21) であった。プラセボ群との最小二乗平均差はLTG-001低用量群で37.82 (p=0.003)、 LTG-001高用量群で62.08 (p<0.001) であり、 いずれもプラセボ群を有意に上回った。 hydrocodone/アセトアミノフェン群とプラセボ群の差は40.86であった。
オピオイドレスキュー薬の使用量は、 プラセボ群の18.35 MMEと比べて、 LTG-001高用量群では11.00 MMEと有意に低かった (p=0.01)一方で、 LTG-001低用量群では有意差は認められなかった。 オピオイドレスキュー薬を全く使用しなかった患者の割合も、 プラセボ群の22%と比べてLTG-001高用量群では52%と有意に高かった (p<0.001)。
安全性については、 高用量LTG-001群ではプラセボ群と比べて発熱 (7% vs 2%) と前失神 (6% vs 1%) の発現率が高かった。
著者らは、 「腹壁形成術後48時間にわたって選択的NaV1.8阻害薬のLTG-001はプラセボと比べて疼痛スコアを有意に改善した」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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