【JACC】新規経口PCSK9阻害薬でLDL-Cが用量依存的に低下
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海外ジャーナルクラブ

1ヶ月前

【JACC】新規経口PCSK9阻害薬でLDL-Cが用量依存的に低下

【JACC】新規経口PCSK9阻害薬でLDL-Cが用量依存的に低下
Korenらは、 高コレステロール血症に対する新たな経口PCSK9 (プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型) 阻害薬AZD0780の有効性と安全性を検討した。 その結果、 AZD0780によりLDL-Cが用量依存的に低下した。 試験結果はJ Am Coll Cardiol誌に発表された。 

📘原著論文

An Oral PCSK9 Inhibitor for Treatment of Hypercholesterolemia: The PURSUIT Randomized Trial. J Am Coll Cardiol. 2025 Mar 27:S0735-1097(25)05907-8. Online ahead of print. PMID: 40167413

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

高トリグリセリド血症、 高CRP患者、 75歳超の高齢者、 医学的に不安定な患者は、 本研究から除外されています。

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血清LDLコレステロール値の推測

目的

新規経口PCSK9阻害薬の有効性・安全性を評価

心血管イベント高リスク患者の多くは、 脂質低下療法の幅広い選択肢があるにもかかわらず、 ガイドラインの示す脂質管理目標値を達成できていない。 AZD0780は、 PCSK9を阻害する新たな低分子化合物であり、 1日1回経口投与の抗コレステロール治療薬として開発中である。

PURSUIT試験は、 日本を含む8ヵ国で実施された第II相二重盲検プラセボ対照多施設共同無作為化比較試験であり、 中~高強度のスタチン治療中の高コレステロール血症患者を対象にAZD0780の有効性と安全性が評価された。

研究デザイン

主要評価項目は12週までのLDL-C変化率

空腹時LDLコレステロール (LDL-C) 値が70mg/dL以上の患者428例が、 AZD0780 1mg群、 3mg群、 10mg群、 30mg群、 プラセボ群に均等に割り付けられ、 各薬剤を1日1回12週間経口投与された。

主要評価項目は、 ベースラインから12週目までのLDL-Cの変化率であった。 安全性および忍容性については、 有害事象件数、 バイタルサイン、 心電図、 臨床検査などが評価された。

結果

30mg群でLDL-C 50.7%低下、 効果は用量依存的

治療を開始した426例における、 12週後のAZD0780群のLDL-C変化 (プラセボ補正後最小二乗平均値%変化) は以下の通りであった。

  • 1mg : -35.3% (95%CI -43.6~-26.9)
  • 3mg : -37.9% (同 -46.3~-29.5)
  • 10mg : -45.2% (同 -53.5~-36.9)
  • 30mg : -50.7% (同 -59.0~-42.4)

既存のスタチン治療強度による効果への影響は認められず、 ACC/AHAガイドラインによるLDL-C管理目標値の達成率はAZD0780の用量に比例して増加した。

有害事象の発現率は、 AZD0780群が38.2%、 プラセボ群が32.6%であった。

結論

AZD0780は強力なLDL-C低下効果と良好な安全性・忍容性を示した

著者らは 「AZD0780は用量依存的で強力なLDL-C低下効果を示すとともに良好な安全性・忍容性プロファイルを有しており、 1日1回の経口治療薬として今後の開発が期待される結果であった」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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