HOKUTO編集部
8ヶ月前

経大腿のTAVI適応の症候性大動脈弁狭窄症 (AS) 患者において、 ミニマリスト戦略 (局所麻酔のみ) vs 標準治療 (局所麻酔+鎮静) と、 Acurate neo2弁 vs Evolut PRO/PRO+/FX弁の安全性および有効性を評価した無作為化比較試験DOUBLE-CHOICEの結果から、 ミニマリスト戦略は標準治療に対し非劣性であり、 デバイス比較ではACURATE neo2群でペースメーカー植込み率が有意に低いことが示された。 ドイツ・Heart Center Leipzig at Leipzig UniversityのMohamed Abdel-Wahab氏が発表した。 同詳細はCirculation. 2025年8月29日オンライン版に同時掲載された¹⁾。
経カテーテル的大動脈弁留置術 (TAVI)は、 手技・デバイスの進歩で低侵襲化が進み、 局所麻酔のみ・ライン/カテーテル最小化のミニマリスト戦略が普及しつつある。 しかし、 大規模無作為化比較試験によるこれらの有効性と安全性の検証はこれまで不十分であった。 また最新世代の自己拡張型弁 (ACURATE neo2とEvolut系) 間の比較も限られている。
対象は、 経大腿TAVIの適応があり、 ACURATE neo2、 およびEvolut系の両弁種に解剖学的適合性がある症候性AS患者だった。
ドイツの10施設より麻酔比較は752例、 デバイス比較は835例が対象となり、 それぞれ2群に1 : 1ずつで無作為に割り付けられた。
▼麻酔戦略の評価
▼デバイス評価
主要評価項目は30日の主要複合エンドポイントで、 各評価基準別に以下のとおり定義された。
麻酔戦略評価の2群、 デバイス評価の2群のどちらも、 年齢中央値、 性別、 STSスコアなどの患者背景は両群間でバランスが取れていた。
麻酔戦略の評価では、 30日後の主要複合エンドポイント発生率は、 ミニマリスト群 (22.9%) の標準治療群 (25.8%) に対する非劣性が確認された (p=0.003)。
ミニマリスト群の19.5%が痛みや不快感のため標準群へクロスオーバーしたが、 per-protocolおよびas-treated解析では、 ミニマリスト群に有意な有利性が示された (それぞれp=0.05、 p=0.01)。
デバイス評価では、 30日後の主要複合エンドポイント発生率は、 Evolut群の30.4%に対して、 ACURATE neo2群では15.4%と有意に優れていた (HR 0.47 [95%CI 0.34-0.64]、 p<0.001)。 両群間の差は、 主にペースメーカー植込み率の低さ (26.5% vs 11.2%) によるものだった。
心血管死亡、 弁関連死亡、 手技成功率などの評価は両群で同等だったが、 Early safety (早期安全性 : 30日以内の主要合併症を含む複合イベント非発生率) はAcurate neo2群で有意に良好だった (72.5% vs 63.0%、 p=0.005)。
血行動態は両群とも改善が見られた。
Abdel-Wahab氏は 「ミニマリスト戦略による大腿動脈TAVIは実行可能であり、 安全かつ効率的であるものの、 手技中に患者がより強い不快感やストレスを感じる可能性がある。 また、 ACURATE neo2弁は既に全世界での市場から撤退しているものの、 本試験で観察されたペースメーカー植込み率の低下は、 将来の弁開発に活かされるだろう」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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