海外ジャーナルクラブ
1年前
Yuらは、 緊急外科手術を受ける外傷患者を対象に、 術中および術後のデクスメデトミジンの投与が心的外傷後ストレス障害 (PTSD) を減らすことができるかを二重盲検無作為化臨床試験で検討。 その結果、 術中および術後のデクスメデトミジン投与は、 外傷患者のPTSD発生率を低下させた。 本研究はJAMA Netw Open誌において発表された。
PTSDなので1カ月だけではなく、 3カ月後、 6カ月後と経過を見たいところです。 また術後3日間投与したことでせん妄などの予防効果があってPTSDを軽減したのか、 直接作用なのか興味があります。
PTSDは、 外傷患者、 特に手術を必要としや患者によくみられる。 デクスメデトミジンは、 条件付恐怖記憶の早期統合および形成を減少または逆転させ、 術後PTSDの発生を予防する可能性がある。
中国江蘇省の4つの病院で緊急手術を受けた外傷患者
患者を以下の群に割り付け。
手術1カ月後のPTSD発症率の差
術後48時間以内と1カ月以内の疼痛スコア、 せん妄、 悪心、 そう痒症の発生率、 主観的睡眠の質、 不安、 有害事象の発生
手術1カ月後のPTSD発症率は、 デクスメデトミジン群が対照群よりも有意に低かった (P=0.03)。
デクスメデトミジン群の参加者はプラセボ群の参加者よりもCAPS-5スコアが有意に低かった (P=0.02)。
潜在的交絡因子を調整した解析では、 デクスメデトミジン群の患者は対照群の患者よりも手術1カ月後にPTSDを発症する可能性が低かった (P=0.03)。
本試験において、 術中および術後のデクスメデトミジン投与は、 外傷患者のPTSD発生率を低下させた。 この試験結果は、 緊急外傷手術におけるデクスメデトミジンの使用を支持するものである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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