海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

Heerspinkらは、 IgA腎症の成人患者を対象として、 エンドセリン受容体・アンジオテンシン受容体デュアル拮抗薬sparsentanおよびアンジオテンシンII受容体拮抗薬 (ARB) イルベサルタンの腎保護効果および安全性を比較評価した海外第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験PROTECTの事後解析で、 蛋白尿の完全寛解 (CR) *と腎機能維持との関連性を評価した。 その結果、 蛋白尿のCR達成は推定糸球体濾過量 (eGFR) 維持および腎不全イベント減少と関連していた。 本研究はClin J Am Soc Nephrol誌において発表された。
本研究では蛋白尿の完全寛解が腎予後の重要な指標である可能性を強く示唆していますが、 治療目標としての妥当性を確立するには、 長期追跡および独立コホートでの検証が必要です。
第Ⅲ相PROTECT試験において、 sparsentanはイルベサルタンと比べてIgA腎症患者の蛋白尿を有意に減少させ、 腎機能の維持に有効であることが報告されている¹⁾。
そこで同試験の事後解析では、 蛋白尿のCRと腎機能維持との関連性を評価した。
36週時または110週時までのいずれかの時点でCRを達成した患者 (CR群) と達成しなかった患者 (非CR群) の腎機能を比較した。
CRステータス別に評価した評価項目は、 蛋白尿、 eGFR、 血圧の変化、 eGFR低下率、 腎不全の複合エンドポイント、 安全性であった。
解析対象404例のうち43例 (11%) が36週時までに、 85例 (21%) が110週時までにCRを達成した。
CR群は非CR群と比べて蛋白尿減少がより大きく、 かつ迅速であった。
CR群では非CR群と比べてeGFRの絶対変化量が小さく (-4.0mL/min/1.73m² vs -8.6mL/min/1.73m²)、 eGFRの低下速度も緩やかであった (-0.7mL/min/1.73m²/年 vs -4.2mL/min/1.73m²/年)。
CR群で腎不全の複合エンドポイントが発生した割合は、 非CR群と比べて低かった (1% vs 14%)。
CR群では非CR群と比べて、 低血圧 (低血圧、 起立性低血圧、 または収縮期血圧低下) に関連する治療中に発現した有害事象 (TEAE) の発現率が高く、 高血圧に関連するTEAEの発現率は低かった。 有害事象 (AE) による治療中止率はCR群と比べて非CR群で高く (4% vs 11%)、 患者判断による治療中止率も非CR群でより高かった (2% vs 8%)。
著者らは 「PROTECT試験において36週時または110週時までにCRを達成した参加者は、 CRを達成していない参加者と比べて、 eGFRの維持率が高く、 腎不全イベントが少なく、 安全性プロファイルは同等であった。 これらのデータは、 蛋白尿を0.3g/日未満に維持すべきという推奨を裏付け、 腎機能維持との関連性を支持するものであった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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