海外ジャーナルクラブ
1年前
Doumourasらは、 肥満女性の乳癌リスクが減量手術によって低下するかを後ろ向きコホート研究で検討。 その結果、 減量手術群の乳癌発症リスクはBMI 25未満の女性と同等であり、 BMI≧25のすべてのグループと比較した場合では、 乳癌発症のリスクが低いことが示唆された。 本研究はJAMA Surg誌において発表された。
減量手術後のBMI dataがないことが本研究の最大のlimitationです。 単に脂肪を減らすだけであれば、 急激に広まっている様々な経口薬の 「痩せ薬」に同じような効果が期待できるのかもしれません…
過剰な脂肪率は、 女性にとって乳癌の高いリスクをもたらす。 体重が大幅に減少した女性では、 肥満のない女性と比較して、 過去の肥満が乳癌のベースラインリスク増加を残存させるかどうかは不明である。
肥満 (ベースラインのBMI≧35で併存疾患がある、 またはBMI≧40) に対して肥満手術を受けた女性コホートと年齢および乳癌スクリーニング歴に従って肥満手術歴のない女性コホートをマッチ。
非手術群は、 4つのBMIカテゴリー (<25、 25-29、 30-34、 ≥35) に分けられた。
肥満手術による体重減少
1年、 2年、 5年のウォッシュアウト期間後の乳がんの残存リスク
手術コホートと非手術コホートの全体的な比較、 BMIサブグループ内での比較
非手術群ではウォッシュアウト期間1年後、 2年後、 5年後に乳癌発生リスクが増加した。
減量手術群をBMI 25未満の非手術群と比較した場合、 ウォッシュアウト期間にかかわらず乳癌発症のHRに有意差はなかったが、 すべての高BMIカテゴリー (BMI≧25) の非手術群と比較すると、 減量手術群の方が乳癌発症のHRが低下していた。
減量手術群の乳癌発症リスクはBMI 25未満の女性と同等であり、 BMI≧25のすべてのグループと比較した場合、 減量手術は乳癌発症が低いことと関連していることが示唆された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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