【Lancet Haematol】前治療歴のある再発・難治性MM患者、 cilta-cel単回投与でHRQOLが改善
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2年前

【Lancet Haematol】前治療歴のある再発・難治性MM患者、 cilta-cel単回投与でHRQOLが改善

【Lancet Haematol】前治療歴のある再発・難治性MM患者、 cilta-cel単回投与でHRQOLが改善
Martinらは、 3回以上の前治療歴がある再発または難治性の多発性骨髄腫患者を対象に、 キメラ抗原受容体 T 細胞療法Ciltacabtagene Autoleucel (cilta-cel) の効果を単群非盲検第Ⅰb-Ⅱ試験で検討 (CARTITUDE-1試験)。 その結果、 cilta-cel単回投与により、 再発・難治性多発性骨髄腫患者の健康関連QOL (HRQOL) が持続的に改善されたことが明らかとなった。本研究は、 Lancet Haematol誌において発表された。

📘原著論文

Health-related quality of life in patients given ciltacabtagene autoleucel for relapsed or refractory multiple myeloma (CARTITUDE-1): a phase 1b-2, open-label study. Lancet Haematol. 2022 Oct 7;S2352-3026(22)00284-8.PMID: 36215989

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

Cilta-celは2022年2月にFDAが 「4回以上の前治療歴がある再発または難治性の多発性骨髄腫患者」 に対して承認しており、 本研究結果はそれを支持する内容と言えます。

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背景

CARTITUDE-1は、 2つのB細胞成熟抗原標的単一ドメイン抗体を用いたキメラ抗原受容体T細胞療法であるcilta-celを、 再発・難治性の多発性骨髄腫患者を対象に評価した第1b-2相試験である。ここでは、 患者報告式のアウトカムを用いて評価したHRQOLの副次的アウトカムについて報告する。

研究方法

  • 対象: ECOG PS 1以下、 3ライン以上の治療歴があるか、 プロテアソーム阻害剤と免疫調節剤に二重抵抗性があり、 プロテアソーム阻害剤、 免疫調節剤、 抗CD38抗体の投与を受けた18歳以上の多発性骨髄腫患者。
  • リンパ節除去から5~7日後にcilta-cel単回注入 (目標量0~75×10⁶個/kg) を実施した。患者報告転帰は、 EORTCのQOL質問票コア30項目、 EORTC骨髄腫モジュールの事前指定項目、 EuroQol 5次元記述システム質問票を用いて評価された。

研究結果

  • 68人の患者が治療を受け、 患者報告アウトカムを評価した (追跡期間中央値16.9カ月)。cilta-cel注入後、 患者報告転帰に一時的な低下がみられたが、 その後、 全般的な健康状態、 身体機能尺度、 情動機能尺度が経時的に改善し、 症状ベースのスコアも低下し、 患者HRQOLが向上したことが示された。
  • 全般的な健康状態:ベースラインから464日目までの平均変化率+8.0点 (SD20.9)
  • 身体機能尺度:+4.6点 (SD 21.1)
  • 情動機能尺度:+1.9点 (SD 23.7)
  • 症状ベースのスコア
  • 疼痛:-14.1点 (SD31.5)
  • 倦怠感:-15.4点 (SD 29.5)

結論

持続的なHRQOLの改善は、 cilta-cel単回投与が、 重度の前治療を受けた再発・難治性多発性骨髄腫患者において実質的かつ持続的な奏効をもたらしたと言える。これらの結果は、 再発・難治性多発性骨髄腫患者におけるcilta-celの使用を支持するものである。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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