寄稿ライター
1年前
医師にとってキャリアパスは臨床だけではありません。 その一つが 「メディカルドクター」 (MD) ですが、「英語力が必要?」 「博士号はあった方がいい?」 など様々な質問をいただきます。 連載 「医師のキャリア・考」 の4回目はMDの仕事内容や年収、福利厚生などをご紹介します。
MDは医師資格を持つ製薬会社の社員で、 新薬の研究開発や安全性、 有効性の検証が主な業務です。 その結果を関係機関に提示し、 次の医薬品開発に繋げます。
主な業務は以下の3つに分けられます。
1 臨床開発
新薬開発の一環として臨床試験や治験で得たデータを分析し、 医師の視点でレビューします。 厚生労働省などの行政機関に提示し、 新薬の認可を取ります。
2 安全性評価
市販後の新薬の安全性をモニタリングし、情報管理を行います。 流通後の副作用などに関する情報から安全性を審査します。
3 メディカルアフェアーズ
医薬品の安全性や有効性の情報を医師へ提供し、他社製品と比べた評価基準を形成します。
「医師免許」 以外の資格は特に必要ありません。「製薬医学会認定医」 という資格はあるものの、ほとんどのMDは取得していません。
一方、 「博士号」 の取得を必須条件にしている製薬会社もあります。 外資系企業は本部の医師とコミュニケーションを取るため、 英語力は必要不可欠です。 内資系企業でもTOEIC700~800点は求められます。
内資系企業では、 部門役職者で年収は最大で1500~1600万円、 外資系企業では部門統括を担う場合は年収2000万円以上とする企業もあります。
福利厚生は所属する製薬企業によりますが、 年金制度や休暇・公休制度、 退職金などが充実しています。 病院勤務と比べても好待遇といえるでしょう。
製薬企業の中では 「~さん」 と呼ばれます。臨床試験などで医療機関を訪問する際、 勤務医から医師扱いされないケースもあります。 「~先生」 と呼ばれない点が少しでも引っかかる人はMDには向いていません。
2. 臨床医としての未練がない人
臨床への後戻りが事実上難しい「研究職」 の道を進むには、 臨床医として未練があると後悔につながりかねません。
MDの求人は決して多くありませんが、 臨床の枠を超えた新たな可能性を追求する医師にとっては刺激的な道かもしれません。 自身のキャリアを深く考え、 狭き門であるMDの道を模索する際は、 豊富な知識と情報を持つ専門家への相談もおすすめです。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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