HOKUTO編集部
2年前
破傷風トキソイドと抗破傷風ヒト免疫グロブリン (Tetanus Immune Globulin:TIG) は、 創部や土壌汚染による感染が多い「破傷風」の発症を予防するために投与される。 米国では、 創部の状態や過去の予防接種歴から、 投与を判断することが推奨されている¹⁾²⁾。
破傷風抗毒素抗体価は約10年で発症防御レベルを下回るといわれており、 接種にあたっては過去の予防接種の回数、 最終接種時期を患者から聴取する必要がある。
(1) 接種歴不明 or 接種歴3回未満
TIG投与+破傷風トキソイドを3回接種
(2) 接種歴3回以上+最終接種から5年以上経過
破傷風トキソイドを1回接種 (対象者が免疫不全状態であれば、 破傷風トキソイド接種歴に関わらずTIG使用)
(3) それ以外の場合
接種は不要
(1) 接種歴不明 or 接種歴3回未満
破傷風トキソイドを3回接種
(2) 接種歴3回以上+最終接種から10年以上経過
破傷風トキソイドを1回接種
(3) それ以外の場合
接種は不要
クロストリジウム属の破傷風菌 (Clostridium tetani) による感染症で創部や土壌汚染による感染が多い
破傷風菌の毒素テタノスパスミンによる神経毒、 溶血毒。 神経毒で脳や脊髄に作用し中枢神経症状が出現する。 潜伏期は3〜14日
臨床症状と病歴から診断する。
第1期: 開口障害 (牙関緊急)
第2期: 全身痙攣、 顔面筋の痙攣 (痙笑)
第3期: 後弓反張(opisthotonos)
エビデンスのある特異的治療は乏しい。 ヒト破傷風免疫グロブリン(HTIG)の投与や、 痙攣のコントロール、気道・全身管理などの支持療法が主となる。
最終更新:2023年4月28日
監修医師:聖路加国際病院 救急部 清水真人
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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