【JAMA】小児急性副鼻腔炎へのアモキシシリン・クラブラン酸で消化器症状やイースト菌感染のリスク増
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1年前

【JAMA】小児急性副鼻腔炎へのアモキシシリン・クラブラン酸で消化器症状やイースト菌感染のリスク増

【JAMA】小児急性副鼻腔炎へのアモキシシリン・クラブラン酸で消化器症状やイースト菌感染のリスク増
Savageらは、 急性副鼻腔炎の小児患者を対象に、 アモキシシリン・クラブラン酸とアモキシシリンの効果をコホート研究で比較検討した。 その結果、 治療失敗の割合に差は見られなかったが、 クラブラン酸/アモキシシリンの使用は消化器症状やイースト菌感染のリスクが高いことが示された。 本研究はJAMA誌において発表された。 

📘原著論文

Treatment Failure and Adverse Events After Amoxicillin-Clavulanate vs Amoxicillin for Pediatric Acute Sinusitis. JAMA. 2023 Sep 19;330(11):1064-1073. PMID: 37721610

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

研究デザイン自体はコホート研究であり、 本来あまり強い結論には至れません。 しかしながら、 小児急性副鼻腔炎に対するアモキシシリン・クラブラン酸の安易な処方に対する制限の大きな流れからJAMA誌に採用されたもの、 と考えます。

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オーグメンチン配合錠125SS / 250RS

クラブラン酸/アモキシシリン

サワシリンカプセル125 / カプセル250 / 錠250 / 細粒10%

アモキシシリン

アモキシシリン・クラブラン酸


背景

急性副鼻腔炎は、 小児における抗菌薬処方の最も一般的な適応症の一つであり、 米国では年間推定490万件が処方されている。 しかし最適な経験的抗菌薬治療に関するコンセンサスは存在しない。

研究デザイン

対象

急性副鼻腔炎と診断された17歳以下の新規外来患者で、 診断の同日にアモキシシリン・クラブラン酸またはアモキシシリンの処方をうけた症例

主要評価項目

コホート登録から1~14日目の治療失敗

治療失敗は新規抗菌薬処方、 急性副鼻腔炎による救急診療部または入院での受診、 副鼻腔炎の合併症による入院での受診と定義

研究結果

治療失敗の割合

治療失敗は全体で1.7%にみられ、 重篤な治療失敗 (救急部または入院での受診) は0.01%であった。

治療失敗のリスクの薬剤間の差

治療失敗のリスクは、両群間で差を認めなかった。

  • アモキシシリン・クラブラン酸群:1.7%
  • アモキシシリン群:1.8%
リスク比 (RR)  0.98、 95%CI:0.92-1.05

患者年齢ごとの治療失敗リスク

患者を年齢で層別化すると、 アモキシシリン・クラブラン酸群の治療失敗リスクは下記のようになった。

  • 0~5歳:RR 0.98、 95%CI 0.86-1.12
  • 6~11歳:RR 1.06、 95%CI 0.92-1.21
  • 12~17歳:RR 0.87、 95%CI 0.79-0.95

患者年齢ごとの有害事象のRR

  • 0~5歳:RR 1.23、 95%CI 1.10-1.37
  • 6~11歳:RR 1.19、 95%CI 1.04-1.35
  • 12~17歳:RR 1.04、 95%CI 0.95-1.14

有害事象のリスク

アモキシシリン・クラブラン酸群では消化器症状とイースト菌感染のリスクが高かった。

  • 消化器症状:RR 1.15、 95%CI 1.05-1.25
  • イースト菌感染:RR 1.33、 95%CI 1.16- 1.54

結論

アモキシシリン・クラブラン酸とアモキシシリンの間で急性副鼻腔炎の小児患者に対する治療効果に有意差は見られなかったが、 アモキシシリン・クラブラン酸の使用は消化器症状とイースト菌感染のリスク増加と関連していた。 これらの知見は、 急性副鼻腔炎の経験的抗菌薬治療における薬剤選択の決定に役立つと考えられる。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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