HOKUTO編集部
5日前

欧州臨床腫瘍学会 (ESMO 2026) が、 10月23~27日にスペイン・マドリードで開催される。 皮膚癌ではPresidential Symposiumに1演題が採択された。 本稿では、 Presidential Symposiumおよび口演に採択された皮膚癌の演題のうち、 第Ⅲ相試験に絞って編集部が選んだ5演題を、 メラノーマと皮膚有棘細胞癌に分けて開幕に先立って予告する。
完全切除後のStage IIB~IVメラノーマを対象に、 術後補助療法としてmRNAを用いた個別化ネオアンチゲン療法intismeran autogeneをペムブロリズマブに上乗せする意義を検証した第Ⅲ相試験である。 患者ごとの腫瘍変異に基づいて設計する個別化ネオアンチゲン療法の第Ⅲ相成績として注目される。 Presidential Symposium Iの冒頭演題である。
切除不能な局所進行または転移を有するBRAF V600E/K変異メラノーマの1次治療を対象に、 ペムブロリズマブにエンコラフェニブ+ビニメチニブを併用する治療を、 プラセボ+ペムブロリズマブと比較した二重盲検第Ⅲ相試験である。 BRAF変異陽性例では、 分子標的治療と免疫療法のどちらを先行させるかが論点となってきた。 分子標的治療と免疫療法の同時併用による有効性と安全性が注目される。
切除不能または転移性メラノーマを対象に、 ニボルマブにヒストン脱アセチル化酵素 (HDAC) 阻害薬であるツシジノスタット (HBI-8000) を併用する治療を、 ニボルマブ+プラセボと比較した無作為化第Ⅲ相試験の主要解析である。 ツシジノスタットは国内ではT細胞リンパ腫を対象に承認されている。 固形癌で免疫チェックポイント阻害薬と組み合わせる戦略が第Ⅲ相で検証される。
切除可能なStage IIIメラノーマを対象に、 術前ニボルマブ+イピリムマブ後に手術と病理学的奏効に応じた術後補助療法を行う戦略を、 手術後のニボルマブ単独療法と比較した第Ⅲ相試験である。 今回は3年無遠隔転移生存期間 (DMFS) などが報告される。 本試験は術前免疫療法への関心を高めた試験として知られ、 初回報告から追跡を重ねた成績が示される。 術前免疫療法の長期的な有効性を評価する上で注目される。
手術および術後放射線療法後の再発高リスク皮膚有棘細胞癌を対象に、 セミプリマブをプラセボと比較した第Ⅲ相試験のOSアップデートと血中循環腫瘍DNA (ctDNA) 解析である。 セミプリマブは国内でも根治切除不能例に加え、 本試験を根拠として再発高リスク例の術後補助療法の適応を取得している。 既に実地診療に入った治療の長期成績と、 ctDNAで再発リスクを層別できるかが焦点となる。
本稿に採らなかった演題のうち、 メルケル細胞癌では術後補助ニボルマブを検討した無作為化第Ⅱ相試験ADMEC-Oの長期成績が発表される。 進行メラノーマでは腫瘍浸潤リンパ球 (TIL) 療法の演題が複数あり、 GC101 TILとlifileucelの成績が示される。
HOKUTOでは各演題のレポートを順次公開予定。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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