【LITESPARK-005】HIF-2α阻害薬belzutifanが既治療の進行腎細胞癌のPFS改善
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HOKUTO編集部

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【LITESPARK-005】HIF-2α阻害薬belzutifanが既治療の進行腎細胞癌のPFS改善

【LITESPARK-005】HIF-2α阻害薬belzutifanが既治療の進行腎細胞癌のPFS改善
抗PD-1/L1抗体と血管内皮細胞増殖因子チロシンキナーゼ阻害薬 (VEGF-TKI) による治療後に病勢進行を認めた淡明細胞型腎細胞癌 (ccRCC) の成人患者を対象に、 経口低酸素誘導因子 (HIF) -2α阻害薬belzutifanの有効性および安全性をエベロリムスを対照に検証した非盲検第Ⅲ相試験LITESPARK-005の中間解析の結果から、 belzutifanはエベロリムスと比較して無増悪生存期間 (PFS) と客観的奏効率 (ORR) を有意に改善した。 フランス・Université Paris SaclayのLaurence Albiges氏が発表した。

研究デザイン

対象の適格基準

  • 切除不能、 局所進行性または転移性のccRCC
  • 抗PD-1/L1抗体を1種類以上、 およびVEGFR-TKIを1種類以上含む全身療法を1~3レジメン施行後に病勢進行を認めた症例
  • Karnofsky Performance Statusスコアが70%以上

方法

719例を以下の2群に1:1で割り付けた。

  • belzutifan群 (374例)
1日1回belzutifan 120mgを経口投与
  • エベロリムス群 (372例)
1日1回エベロリムス10mgを経口投与

評価項目

主要評価項目盲検下独立中央判定(BICR)によるRECIST1.1基準に基づくPFS、 全生存期間(OS)

副次評価項目ORR、 奏効持続期間 (DOR) 、 安全性、 FKSI-DRSスコアによる悪化までの期間 (TTD) 

研究結果

追跡期間中央値

中間解析1 (IA1)

18.4ヵ月 (範囲9.4-31.7ヵ月)

2022年11月1日をデータカットオフ日

中間解析2 (IA2) 

25.7ヵ月 (範囲16.8-39.1ヵ月)

2023年1月13日をデータカットオフ日

患者背景

両群でほぼ同様

IMDC*リスク分類 (予後良好、 中間、 予後不良)

*International Metastatic RCC Database Consortium
  • belzutifan群:22.1%、 66.6%、 12.3%
  • エベロリムス群:22.3%、 65.6%、 12.1%

前治療のライン数(1、2、3)

  • belzutifan群:12.3%、42.0%、 45.2%
  • エベロリムス群:14.0%、 44.6%、 40.3%

BICR評価によるPFS中央値

IA1

  • belzutifan群:5.6ヵ月
(95%CI 3.9-7.0ヵ月)
  • エベロリムス群:5.6ヵ月
(95%CI 4.8-5.8ヵ月)
HR 0.75 (95%CI 0.63-0.90)、 p<0.001

IA2 (18ヵ月時点)

  • belzutifan群:5.6ヵ月
(95%CI 3.8-6.5ヵ月)
  • エベロリムス群:5.6ヵ月
(95%CI 4.8-5.8ヵ月)
HR 0.74 (95%CI 0.63-0.88)

OS

IA1

  • belzutifan群:21.0ヵ月
(95%CI 17.2-24.3ヵ月)
  • エベロリムス群:17.2ヵ月
(95%CI 15.3-19.0ヵ月)
HR 0.87 (95%CI 0.71-1.07)、 p=0.096

IA2 (18ヵ月時点)

  • belzutifan群:21.4ヵ月
(95%CI 18.2-24.3ヵ月)
  • エベロリムス群:18.1ヵ月
(95%CI 15.8-21.8ヵ月)
HR 0.88 (95%CI 0.73-1.07)、 p=0.099

ORR

IA1

  • belzutifan群:21.9%
(95%CI 17.8-26.5%)
  • エベロリムス群:3.5%
(95%CI 1.9-5.9%)
推定差18.4%ポイント (14.0-23.2%ポイント)、 p<0.00001

IA2

  • belzutifan群:22.7%
(95%CI 18.6-27.3%)
  • エベロリムス群:3.5%
(95%CI 1.9-5.9%)
推定差19.2%ポイント (14.8-24.0%ポイント)

安全性

治療期間中央値

  • belzutifan群:7.6ヵ月
(95%CI 0.1-35.8ヵ月)
  • エベロリムス群:3.9ヵ月
(95%CI 0.0-33.2ヵ月)

グレード3以上の有害事象(AE)、 治療関連AE

  • belzutifan群:230例 (61.8%) 、 144例 (38.7%) 
  • エベロリムス群:225例 (62.5%) 、 142例 (39.4%)

Laurence Albiges氏の結論

belzutifanは、 抗PD-1/L1抗体とVEGF-TKIによる治療後の進行ccRCC患者において、 エベロリムスと比較してPFSおよびORRを有意に改善した。 一方で、 OSでは両群に有意差は認められなかった。 belzutifanの安全性プロファイルはこれまでの報告と一致しており、 新たな安全性シグナルは認められなかった。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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