海外ジャーナルクラブ
1年前
Analatosらは、 胃食道逆流症 (GERD) の患者を対象に、 食道裂孔ヘルニア修復に非吸収性メッシュを用いた場合の長期的転帰について二重盲検無作為化比較試験の13年間の追跡調査で検討した。 その結果、 非吸収性メッシュを用いても術後13年目の食道裂孔ヘルニアの再発率は低下せず、 嚥下障害スコアも高く維持されていることが示唆された。 本研究は、 JAMA Surg誌において発表された。
RCTの長期アウトカム調査はどの領域でも注目されています。 今回145例の患者のうち、 103名 (71%) から回答があり、 最終的なメインアウトカムは64名 (44%) の結果でした。 患者の逸脱が多く、 なかなか報告の動きが取れない研究も多いと聞きますが50%くらいメインの結果が得られれば1つ形になる、 という見本になります。
逆流防止手術はGERDに対する有効な治療法であるが、 食道裂孔ヘルニア修復術を併用し際の耐久性には課題がある。 これまでの研究からメッシュを用いたテンションフリーの術式の使用は、 裂孔ヘルニアの再発率を低下させることなく、 3年後に固形食に対する嚥下障害がより多くなることが報告されているが、 この術式の長期的な効果は評価されていない。
GERD患者
患者を以下の群に割り付けた。
10年以上経過後に放射線学的に確認された食道裂孔ヘルニアの再発
p=0.61
術後13年時点での固形物の嚥下障害の平均スコアはメッシュ群で有意に高かった
p=0.01
ランダム化臨床試験の長期追跡調査の結果、 非吸収性メッシュを用いた食道裂孔ヘルニア修復術は術後13年時点の再発率を低下させなかった。 嚥下障害スコアも高く維持されていることから、 GERD治療のための腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア修復術において、 非吸収性メッシュを用いた術式を行うことは支持されない。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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