海外ジャーナルクラブ
11日前

Zhangらは、 Ⅱ-Ⅲ期胃癌患者を対象に、 周術期合併症および長期入院リスクを予測する新たな包括的炎症・代謝指数 (CIMI) の有用性を、 開発コホートにおける4件の無作為化比較試験 (RCT) データおよび外部検証コホートを用いた観察研究で評価した。 その結果、 開発されたCIMIは術後合併症および長期入院リスクを既存の炎症・代謝指標を上回る精度で予測し、 効果的な指標であることが示された。 本研究はESMO Open誌において発表された。
本研究ではL3レベルに基づく標準化指標のみを評価しており、 より詳細な筋指標 (例 : 大腰筋指標や筋間比) は検討されていません。
炎症および代謝状態は、 胃癌患者の予後に重要な役割を果たす。
近年、 炎症・代謝状態を統合的に評価する指標の開発が進められているものの、 既存の指標は用いるパラメータの選択、 重み付け、 および評価基準に大きなばらつきがあり、 臨床応用における一貫性および比較可能性が十分ではない。 また、 胃癌患者においてこれらの指標の予測性能を検証した大規模前向き研究は不足しており、 とりわけ周術期転帰の予測に関するエビデンスは限られている。
本研究では、 開発コホートとしてRCT4件から得られたⅡ-Ⅲ期胃癌患者567例および外部検証コホートの患者107例を対象として、 周術期合併症および長期入院リスクを予測するCIMIを開発・検証した。
術前の血液学的パラメータおよび体組成パラメータを用いて炎症・代謝状態を評価した。 CIMIの予測性能はROC曲線、 PR曲線、 決定曲線分析 (DCA)、 およびモデル適合指標 (逸脱度、 赤池情報量基準 [AIC]、 ベイズ情報量基準 [BIC]) を用いて評価した。 さらに、 CIMIの臨床的有用性を検討するためにサブグループ解析および生存解析を実施した。
CIMIは、 log (白血球数 [10⁹/L] ×血清グロブリン [g/L]) ×内臓脂肪指数 (VAI) により算出された。
開発コホートにおいて、 CIMIの曲線下面積 (AUC) は術後合併症で0.748、 在院日数>11日で0.651であり、 既存の炎症・代謝指標を上回る予測性能を示した。 外部検証コホートにおいても同様の結果が得られ、 その堅牢な予測性能が確認された。
さらに、 CIMIは術中手術時間および術後回復時間と有意に関連していた。
サブグループ解析において、 共変量調整後、 CIMIに基づく高リスク群は低リスク群と比べて術後合併症の発生率が有意に高かった (OR 7.77 [95%CI 4.39-13.75]、 p<0.001)。
生存解析の結果、 低リスク群において、 補助化学療法開始までの期間が6週間未満の患者は、 6週間以上を要した患者と比べて5年全生存率が有意に高かった (56.0% vs 45.0%、 p=0.043)。
著者らは 「新たな炎症・代謝指標であるCIMIは、 胃癌患者における術後合併症および長期入院リスクを効果的に予測し、 臨床的意思決定および医療システム戦略に有益な知見を提供する」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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