【頚部外傷の評価】どんな患者に画像が必要?NEXUSとCCRの使い分け
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HOKUTO編集部

2年前

【頚部外傷の評価】どんな患者に画像が必要?NEXUSとCCRの使い分け

本日は頚部外傷の臨床予測ルールをご紹介します. 頭部外傷患者の約1~2%に合併するとされる頸椎損傷. 診断の遅れは後遺症を残し、患者のQOLを著しく低下させる可能性があります. ただし、被爆や医療資源の観点からも、臨床現場でしっかりとリスクの高い外傷患者を同定し、適切な画像検査を進めていくことが肝要です.

臨床予測ルール

🔢NEXUS基準

🔢Canadian C-spine ルール (CCR)

1.NEXUS基準

the National Emergency X-Radiography Utilization Study(以下NEXUS)は、 2000年に米国の多施設前向き研究で報告された基準. NEXUSは5つの質問で評価を行う¹⁾.

評価項目 (🔢計算はこちら)

【頚部外傷の評価】どんな患者に画像が必要?NEXUSとCCRの使い分け

エビデンス

NEXUS前向き検証²⁾

感度 99.0% (95%CI; 98-99.6%)

特異度 12.9% (95%CI; 12.8-13.0%)

2.Canadian C-spine Rule

Canadian C-spine Rule (以下CCR)とは、 多くの臨床予測ルールを作成しているカナダ オタワ大学のStiel氏らにより2001年に報告された基準. CCRは3つのカテゴリーで評価を行う³⁾⁴⁾.

評価項目 (🔢計算はこちら)

対象は意識清明で安定しているが、頸椎損傷が疑われる16歳以上. ①~③のいずれかに該当する場合、Xpが推奨される
【頚部外傷の評価】どんな患者に画像が必要?NEXUSとCCRの使い分け

エビデンス

CCR相互検証³⁾

感度 100% (95%CI; 98-100%)

特異度 42.5% (95%CI; 40-44%)

CCR外部検証⁴⁾

感度 99.4% (95%CI; 96-100%)

特異度 45.1% (95%CI; 44-46%)

他臨床予測ルールとの比較⁴⁾

CCRとNEXUSを前向きコホート研究にて比較したところ、 CCRはNEXUSよりも感度が高くかつ特異的であった³⁾.

注意事項(患者除外項目詳細)

16歳未満 単純な裂傷 GCS15未満

著しい異常なバイタルサイン 48時間

以上前の負傷 穿通性外傷 急性麻痺

妊娠 同一障害の再評価のための再来院

既知の脊椎疾患

強直性脊椎炎、関節リウマチ、脊椎管狭窄症、頸部手術歴
以上の患者はCCRの評価基準外のため除外

参考文献

  1. Selective cervical spine radiography in blunt trauma: methodology of the National Emergency X-Radiography Utilization Study (NEXUS). Ann Emerg Med. 1998 Oct;32(4):461-9. PMID: 9774931.
  2. Validity of a set of clinical criteria to rule out injury to the cervical spine in patients with blunt trauma. National Emergency X-Radiography Utilization Study Group. N Engl J Med. 2000 Jul 13;343(2):94-9. PMID: 10891516.
  3. The Canadian C-spine rule for radiography in alert and stable trauma patients. JAMA. 2001 Oct 17;286(15):1841-8. PMID: 11597285.
  4. The Canadian C-spine rule versus the NEXUS low-risk criteria in patients with trauma. N Engl J Med. 2003 Dec 25;349(26):2510-8. PMID: 14695411.

最終更新:2022年8月24日
監修医師:HOKUTO編集部医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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