海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前
Sanyalらは、 GLP-1受容体作動薬 セマグルチドの代謝異常関連脂肪性肝炎 (MASH) に対する有効性を検討する第III相無作為化比較試験の中間解析を実施した。 その結果、 セマグルチドにより、 MASHおよび中等度ないし高度の肝線維化がある患者の肝組織学的所見が改善した。 試験結果はNEJM誌に発表された。
黒人患者の人数が少ないこと、 アルコール摂取のバイオマーカーに関するデータがないこと、 治療反応に影響する遺伝的多型に関する情報がないことなどがlimitationとして挙げられています。
グルカゴン様ペプチド-1 (GLP-1) 受容体作動薬セマグルチドは、 代謝異常関連脂肪性肝炎 (MASH) の治療薬候補である。
MASHに対する有効性を検討する第III相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験が進行中である。
同試験では、 MASHと線維化ステージ2/3が確認された1,197例がセマグルチド2.4mg週1回皮下注群とプラセボ群に2:1で無作為に割り付けられ、 それぞれ240週間投与された。
今回は、 最初に組み入れられた800例を対象にした72週時点の中間解析結果が報告された。 主要評価項目は、 線維化の悪化のない脂肪性肝炎の解消、 脂肪性肝炎の悪化のない肝線維化の改善であった。
主要評価項目については、 セマグルチド群での改善が顕著であった。
副次評価項目の結果は以下の通りであった。
消化器系の有害事象の報告は、 セマグルチド群の方が多かった。
著者らは、 「セマグルチドにより、 MASHおよび中等度ないし高度の肝線維化がある患者の肝組織学的所見が改善した」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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