HOKUTO編集部
2ヶ月前
未治療でEGFR遺伝子変異陽性の局所進行/転移性NSCLCに対するEGFR-MET二重特異性抗体アミバンタマブ+第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬ラゼルチニブ(ami+laz)併用療法時に発現する重大な皮膚科的有害事象(DAEI)を予防・軽減するための強化型皮膚ケア療法(COCOON DM)の有効性を検討した第II相無作為化比較試験COCOONの結果、 12週目までに発現するGrade2以上のDAEI発現率が、 標準治療の皮膚科的管理(SoC DM)と比較して半減した。 仏・Institut CurieのNicolas Girard氏が発表した。
EGFR阻害薬では発疹や爪囲炎などのDAEIが高頻度に発生する。 COCOON試験では、 ami+laz併用療法における皮膚/爪の有害事象の予防・重症度軽減を目的としたCOCOON DMレジメンが、 治療期間の継続に寄与できるかどうかを評価した。
EGFR変異陽性の進行NSCLC患者201例を以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けた。
主要評価項目は、 ami+laz併用療法開始後12週目までに発現するGrade2以上のDAEI発生率だった。
副次評価項目には、 爪囲炎と頭皮発疹の発生率及び重症度、 有害事象による減量や中断、 中止の頻度などが含まれた。
追跡期間中央値4.2ヵ月時点で138例が登録され、 COCOON DM群の70例とSoC DM群の68例がami+laz併用療法を受けた。 患者背景は両群間で概ねバランスがとれていた。
12週目までのGrade2以上のDAEI発現率は、 SoC DM群の76.5%に対しCOCOON DM群では38.6%と有意な減少を示した(OR 0.19[95%CI 0.09-0.40]、 p<0.0001)。
Grade 3のDAEI発現率もCOCOON DM群 4.3%、 SoC DM群 8.8%とおよそ半分に低減した。
事前に規定された全てのサブグループにおいても、 COCOON DM群のSoC DM群に対する優位性が一貫して示された。
12週目までのGrade≧2のDAEI発現率を身体部位別に検証したところ、 以下のような結果が得られ、 いずれもCOCOON DM群で減少していた。 特に、 頭皮のGrade2以上のDAEIでは臨床的意義のある減少が示された。
顔/身体のDAEI
頭皮のDAEI
爪のDAEI
投与中止に至る有害事象の発現率はCOCOON DM群で少なく (11%vs19%)、 治療継続率の向上が示唆された。
Girard氏は 「強化された皮膚科的管理であるCOCOON DMレジメンはシンプルかつ容易に導入可能であり、 SoC DMと比較してGrade2以上の皮膚障害の発現率を半減させた。 1次治療としてのami+laz併用療法を継続する上で、 本レジメンの臨床的有用性が期待される」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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