NSCLCへのアミバンタマブ+lazに伴う皮膚AE、 強化型皮膚ケアで半減 : COCOON
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HOKUTO編集部

2ヶ月前

NSCLCへのアミバンタマブ+lazに伴う皮膚AE、 強化型皮膚ケアで半減 : COCOON

NSCLCへのアミバンタマブ+lazに伴う皮膚AE、 強化型皮膚ケアで半減 : COCOON
未治療でEGFR遺伝子変異陽性の局所進行/転移性NSCLCに対するEGFR-MET二重特異性抗体アミバンタマブ+第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬ラゼルチニブ(ami+laz)併用療法時に発現する重大な皮膚科的有害事象(DAEI)を予防・軽減するための強化型皮膚ケア療法(COCOON DM)の有効性を検討した第II相無作為化比較試験COCOONの結果、 12週目までに発現するGrade2以上のDAEI発現率が、 標準治療の皮膚科的管理(SoC DM)と比較して半減した。 仏・Institut CurieのNicolas Girard氏が発表した。 

背景

ami+laz併用療法では皮膚AEの予防管理が課題に

EGFR阻害薬では発疹や爪囲炎などのDAEIが高頻度に発生する。 COCOON試験では、 ami+laz併用療法における皮膚/爪の有害事象の予防・重症度軽減を目的としたCOCOON DMレジメンが、 治療期間の継続に寄与できるかどうかを評価した。

ami+lazレジメンを確認する

NSCLCへのアミバンタマブ+lazに伴う皮膚AE、 強化型皮膚ケアで半減 : COCOON
NSCLCへのアミバンタマブ+lazに伴う皮膚AE、 強化型皮膚ケアで半減 : COCOON

研究デザイン

201例を強化型ケア群と標準的ケア群に無作為割付

EGFR変異陽性の進行NSCLC患者201例を以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けた。

  • COCOON DM群 : 99例
標準用量のami+laz併用療法に加え、 COCOON DMとして、 ドキシサイクリンまたはミノサイクリン (100mgを1日2回、 1~12週目に経口投与) 、 クリンダマイシン1%ローション (1日1回、 第13~52週に頭皮に塗布)、 クロルヘキシジン4% (1日1回手足に塗布)、 セラミドベースの保湿剤 (1日1回顔・体に塗布) などを組み合わせて実施
  • SoC DM群 : 102例
標準用量のami+laz併用療法に加え、 標準的な皮膚科的ケア(SoC DM)および局所/全身コルチコステロイド投与などを実施

主要評価項目はGrade2以上のDAEI

主要評価項目は、 ami+laz併用療法開始後12週目までに発現するGrade2以上のDAEI発生率だった。

副次評価項目には、 爪囲炎と頭皮発疹の発生率及び重症度、 有害事象による減量や中断、 中止の頻度などが含まれた。

試験の結果

患者背景は概ね一致

追跡期間中央値4.2ヵ月時点で138例が登録され、 COCOON DM群の70例とSoC DM群の68例がami+laz併用療法を受けた。 患者背景は両群間で概ねバランスがとれていた。

Grade≧2のDAEI率は38.6%、 SoCに比べ皮膚関連AEを半減

12週目までのGrade2以上のDAEI発現率は、 SoC DM群の76.5%に対しCOCOON DM群では38.6%と有意な減少を示した(OR 0.19[95%CI 0.09-0.40]、 p<0.0001)。

Grade 3のDAEI発現率もCOCOON DM群 4.3%、 SoC DM群 8.8%とおよそ半分に低減した。

事前に規定された全てのサブグループにおいても、 COCOON DM群のSoC DM群に対する優位性が一貫して示された。

頭皮のDAEI発現率は7割以上低減

12週目までのGrade≧2のDAEI発現率を身体部位別に検証したところ、 以下のような結果が得られ、 いずれもCOCOON DM群で減少していた。 特に、 頭皮のGrade2以上のDAEIでは臨床的意義のある減少が示された。

顔/身体のDAEI

  • COCOON DM群 : 23%
  • SoC DM群 : 62%

頭皮のDAEI

  • COCOON DM群 : 9%
  • SoC DM群 : 29%

爪のDAEI

  • COCOON DM群 : 16%
  • SoC DM群 : 21%

投与中止に至るAEも減、 治療継続に寄与

投与中止に至る有害事象の発現率はCOCOON DM群で少なく (11%vs19%)、 治療継続率の向上が示唆された。

結論

COCOON DMはami+laz治療継続に有益

Girard氏は 「強化された皮膚科的管理であるCOCOON DMレジメンはシンプルかつ容易に導入可能であり、 SoC DMと比較してGrade2以上の皮膚障害の発現率を半減させた。 1次治療としてのami+laz併用療法を継続する上で、 本レジメンの臨床的有用性が期待される」 と報告した。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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