海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前
Bhattらは、 2型炎症を呈する慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 患者を対象に、 標準治療へのヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体デュピルマブ上乗せの有効性および安全性を二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相無作為化比較試験NOTUSで検討した。 その結果、 デュピルマブ上乗せがCOPD増悪の年間発生率を減少させ、 呼吸機能の改善をもたらすことが示された。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
本研究結果でも結論が端的に記載されていますが、 端的な結論の記載はその効果をわかりやすく証明しています。 その一方で、 長い結論の記載は、 効果の弱さを間接的に表しています。
デュピルマブは、 IL-4/13が共有する受容体の構成要素を阻害する完全ヒト型モノクローナル抗体であり、 これまでの第Ⅲ相試験から2型炎症を有するCOPD患者に対する有効性と安全性が示されている (N Engl J Med. 2023; 389(3): 205-214)。 しかし、 その有効性が2回目の第Ⅲ相試験でも確認されるかは不明であった。
血中好酸球数が300/μL以上で、 標準的な3剤併用療法を行っても増悪リスクが高いCOPD患者 : 935例
患者を以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
全例が基礎治療として標準的な吸入薬の投与を受けた。
中等度または重度のCOPD増悪の年間発生率
中等度または重度のCOPD増悪の年間発生率
プラセボ群に対する率比 : 0.66 (同0.54-0.82、 p<0.001)
気管支拡張前のFEV₁の変化量
12週時点、 52週時点までのFEV₁の最小二乗平均変化量はとデュピルマブ群で有意に良好であった。
12週時点の最小二乗平均差 : 82 mL (P<0.001)
52週時点の最小二乗平均差 : 62 mL (P=0.02)
52週時点までSGRQスコアの変化
ベースラインから52週目までのSGRQスコアの変化には、 両群間で有意差は認められなかった。
有害事象の発現率
両群で同程度であり、 デュピルマブの安全性プロファイルは既報と一致していた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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