海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前
Rastogi氏らはホルモン受容体陽性HER2陰性かつリンパ節転移陽性の高リスク早期乳癌患者を対象に、 術後療法としてのCDK4/6阻害薬アベマシクリブ+内分泌療法の併用効果について第Ⅲ相国際共同試験monarchEで検討。 今回、 同試験の5年フォローアップ結果が報告され、 既報と同様にアベマシクリブ群が有意に良好な結果を示した。 本研究はJ Clin Oncol誌において発表された。
Adjuvant Abemaciclib Plus Endocrine Therapy for Hormone Receptor-Positive, Human Epidermal Growth Factor Receptor 2-Negative, High-Risk Early Breast Cancer: Results From a Preplanned monarchE Overall Survival Interim Analysis, Including 5-Year Efficacy Outcomes. J Clin Oncol. 2024 Jan 9:JCO2301994. PMID: 38194616
5年間追跡の中間解析結果の報告です。 経時的に少しずつ有効性の差が対照群より広がっており、 最終結果が大変興味深いです。
【monarchE】高リスク早期乳癌術後のアベマシクリブ+内分泌療法、 5年追跡結果も良好
高リスク早期乳癌患者において、 術後アベマシクリブ+内分泌療法を併用した結果、 浸潤性無病生存期間 (IDFS) と遠隔無再発生存期間 (DRFS) が有意に改善し、 2年間の治療期間を超えても持続した。 ここでは、 事前に規定した全生存期間 (OS) の中間解析による、 5年フォローアップ結果を報告する。
ホルモン受容体陽性かつHER2陰性かつリンパ節転移陽性の再発高リスク早期乳癌患者
5,637例を以下の2群に1 : 1で割り付けた。
IDFS、 DRFS
OS
54ヵ月
IDFSのハザード比 (HR) は0.68 (95%CI 0.599-0.772)、 DRFSのHRは0.67 (同0.588~0.774) と、 既報と同様にアベマシクリブ群が良好な結果を示した。
同群の有益性は、 5年後のIDFSとDRFSの絶対的改善率がそれぞれ7.6%ポイントと6.7%ポイントであったのに対し、 4年後は6%ポイントと5.3%ポイント、 3年後は4.8%ポイントと4.1%ポイントと少しずつ差が開いており、 対照群との差が徐々に生じている。
アベマシクリブ群では対照群に比べ死亡例が少なかった (208例vs 234例) ものの、 両群に有意差は認められなかった。
新たな安全性の問題は認められなかった。
高リスク早期乳癌患者において、 アベマシクリブ+内分泌療法の併用は、 治療終了後も浸潤性および遠隔転移再発の持続的なリスク低減を認めた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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