海外ジャーナルクラブ
12ヶ月前
Carsonらは、 急性心筋梗塞にヘモグロビン (Hb) 値10g/dL未満の貧血を合併した患者を対象に、 制限輸血と非制限輸血の効果について、 第III相無作為化介入試験MINTで比較検討した。 その結果、 非制限輸血は貧血合併の心筋梗塞において再発や死亡リスクを低下させないことが示された。 本研究はNEJM誌において発表された。
輸血ストラテジーに関するRCTで、 制限輸血 (7-8g/dL) に対し 非制限輸血 (<10g/dL) で検討され、 ギリギリ有意差なしの結果です。 人間の正常値である13-14g/dLと比較すれば有意な差があると思います。
Hbが7gまたは8g/dLを下回る場合のみ輸血を行う「制限輸血戦略」が広く採用されている。 しかし、 急性心筋梗塞においては、 輸血判断の閾値を下げる 「非制限輸血」 の方が有益な可能性がある。
急性心筋梗塞に貧血合併 (Hb<10g/dL): 3,504例
1:1の割合で以下の2群に無作為に割り付けた
- 制限輸血群 (Hb<7gまたは<8g/dL) : 1,749例
- 非制限輸血群 (Hb<10g/dL) : 1,755例
30日時点の心筋梗塞と死亡の複合
平均単位数 (±SD)
無作為化後1~3日時点の平均Hbは、制限輸血群が非制限輸血群に比較して1.3-1.6g/dL低値であった
RR 1.15 (95%CI 0.99-1.34)、 p=0.07
RR 1.19 (95%CI 0.94-1.49)
RR 1.19 (95%CI 0.96-1.47)
貧血を合併した急性心筋梗塞において、 非制限輸血は30日後の心筋梗塞再発および死亡リスクを有意に減少させなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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