海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前
Al Hussein Al Awamlhらは、 限局性前立腺癌の患者を対象に、 特定の治療法間の有害な機能的転帰の割合を観察コホート研究CEASARで比較検討した。 治療後10年間の追跡調査の結果、 ベースライン時点での予後良好群、 予後不良群ともに根治的前立腺全摘除術が尿失禁の悪化と関連しており、 予後不良群では外照射放射線療法 (EBRT) +アンドロゲン除去療法 (ADT) 併用療法が排便およびホルモン機能の悪化と関連していた。 本研究は、 JAMA誌において発表された。
10年間のフォローでresponse rateが66%なのでどうしてもresponse biasが残ってしまう結果ですが、 50%は超えているのでデータセットとしては悪くはないと言えます。
限局性前立腺癌の治療に関連する有害転帰の詳細は不明である。
米国のSurveillance, Epidemiology, and End Results Programに登録された5件のデータを用いた観察コホート研究
2011年から2012年にかけて限局性前立腺癌と診断された患者
予後良好群
予後不良群
EPIC-26に基づく患者報告による性機能、 尿失禁、 排尿刺激症状、 排便およびホルモン機能
根治的前立腺全摘除術は積極的監視療法と比較し、 尿失禁の悪化と関連していたが、 性機能の悪化とは関連していなかった。
根治的前立腺全摘除術はEBRT+ADT併用療法と比較して尿失禁の悪化と関連していたが、 性機能の悪化とは関連していなかった。
EBRT+ADT併用療法は根治的前立腺全摘除術と比較して、 排便機能およびホルモン機能の悪化と関連していた。
限局性前立腺癌の治療を受け、 ベースライン時点で予後良好な患者において、 根治的前立腺全摘除術は、 EBRTまたは積極的監視療法と比較して尿失禁の悪化と関連していたが、 性機能の悪化とは関連していなかった。
予後不良な患者においても、 根治的前立腺全摘除術は、 EBRT+ADT併用療法と比較して尿失禁の悪化と関連していたが、 性機能の悪化とは関連していなかった。 また予後不良な患者において、 EBRT+ADT併用療法は根治的前立腺全摘除術と比較して、 排便機能およびホルモン機能の悪化と関連していた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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