【JAMA】限局性前立腺癌、 治療10年後に転帰不良だった治療法は?
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海外ジャーナルクラブ

10ヶ月前

【JAMA】限局性前立腺癌、 治療10年後に転帰不良だった治療法は?

【JAMA】限局性前立腺癌、 治療10年後に転帰不良だった治療法は?
Al Hussein Al Awamlhらは、 限局性前立腺癌の患者を対象に、 特定の治療法間の有害な機能的転帰の割合を観察コホート研究CEASARで比較検討した。 治療後10年間の追跡調査の結果、 ベースライン時点での予後良好群、 予後不良群ともに根治的前立腺全摘除術が尿失禁の悪化と関連しており、 予後不良群では外照射放射線療法 (EBRT) +アンドロゲン除去療法 (ADT) 併用療法が排便およびホルモン機能の悪化と関連していた。 本研究は、 JAMA誌において発表された。

📘原著論文

Functional Outcomes After Localized Prostate Cancer Treatment. JAMA. 2024 Jan 23;331(4):302-317. PMID: 38261043

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

10年間のフォローでresponse rateが66%なのでどうしてもresponse biasが残ってしまう結果ですが、 50%は超えているのでデータセットとしては悪くはないと言えます。

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背景

限局性前立腺癌の治療に関連する有害転帰の詳細は不明である。

研究デザイン

方法

米国のSurveillance, Epidemiology, and End Results Programに登録された5件のデータを用いた観察コホート研究

対象

2011年から2012年にかけて限局性前立腺癌と診断された患者

  • 予後良好群 : 1,877例
cT1-cT2bN0M0、 前立腺特異抗原レベル20ng/mL未満、 悪性度グループ1~2と定義
  • 予後不良群 : 568例
cT2cN0M0、 前立腺特異抗原レベル20~50ng/mL、 悪性度グループ3~5と定義

曝露

予後良好群

  • 根治的前立腺全摘除術 : 1,043例
  • ADTを伴わないEBRT : 359例
  • 低線量率小線源療法 : 96例
  • 積極的監視療法 : 379例

予後不良群

  • 根治的前立腺全摘除術 : 362例
  • EBRT+ADT併用療法 : 206例

主要評価項目

EPIC-26に基づく患者報告による性機能、 尿失禁、 排尿刺激症状、 排便およびホルモン機能

研究結果

予後良好群

根治的前立腺全摘除術は積極的監視療法と比較し、 尿失禁の悪化と関連していたが、 性機能の悪化とは関連していなかった。

  • 尿失禁の悪化 : 補正後平均群間差 : -12.1 (95%CI -16.2~-8.0)
  • 性機能の悪化 : 補正後平均群間差 : -7.2 (同-12.3~-2.0)

予後不良群

根治的前立腺全摘除術はEBRT+ADT併用療法と比較して尿失禁の悪化と関連していたが、 性機能の悪化とは関連していなかった。

  • 尿失禁の悪化 : 補正後平均群間差 : -26.6 (95%CI -35.0~-18.2)
  • 性機能の悪化 : 補正後平均群間差 : -1.4 (同-11.1~8.3)

EBRT+ADT併用療法は根治的前立腺全摘除術と比較して、 排便機能およびホルモン機能の悪化と関連していた。

  • 排便機能 : 補正後平均群間差 : -4.9 (95%CI -9.2~-0.7)
  • ホルモン機能の悪化 : 補正後平均群間差 : -4.9 (同-9.5~-0.3)

結論

限局性前立腺癌の治療を受け、 ベースライン時点で予後良好な患者において、 根治的前立腺全摘除術は、 EBRTまたは積極的監視療法と比較して尿失禁の悪化と関連していたが、 性機能の悪化とは関連していなかった。

予後不良な患者においても、 根治的前立腺全摘除術は、 EBRT+ADT併用療法と比較して尿失禁の悪化と関連していたが、 性機能の悪化とは関連していなかった。 また予後不良な患者において、 EBRT+ADT併用療法は根治的前立腺全摘除術と比較して、 排便機能およびホルモン機能の悪化と関連していた。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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