海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前

Burnsらは、 オーストラリアの難治性院外心停止 (OHCA) 患者を対象に、 蘇生を行いながら迅速搬送する戦略による神経学的な転帰を、 現場で長時間蘇生する戦略を対照として多施設共同第Ⅱ相非盲検無作為化比較試験で評価した。 その結果、 迅速搬送は良好な神経学的転帰を伴う生存率の有意な改善を示さなかった。 本研究はLancet Respir Med誌において発表された。
現在、 現場蘇生が活発に議論されていますが、 arrestから病着まで1時間くらいの場合には、 迅速搬送と転帰に差がないようです。
OHCA患者に対し、 蘇生を行いながら迅速搬送する戦略が現場で長時間蘇生する戦略と比べて有益かどうかは不明である。
そこで本研究では、 難治性OHCAの成人患者において、 蘇生を行いながら迅速搬送する戦略による神経学的な転帰を、 現場で長時間蘇生する戦略を対照として非盲検無作為化比較試験で評価した。
オーストラリアのニューサウスウェールズ州シドニー広域圏において、 目撃された医原性が疑われるOHCAで、 バイスタンダー心肺蘇生 (CPR) が実施され、 初期にショック適応波形または無脈性電気活動 (PEA) を呈し、 15分間の高度救命処置または3ラウンドの専門的蘇生後も自己心拍再開 (ROSC) が得られなかった患者197例が、 救急救命士によって、 現場で以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は、 退院時における良好な神経学的転帰 (脳機能分類 [CPC] スコア1~2と定義) を伴う生存率であり、 初期心調律で層別化された。 患者は死亡まで、 または6ヵ月間追跡され、 すべての解析は意図した治療 (ITT : intention-to-treat) ベースで実施された。
対象患者の年齢の中央値は57.0歳 (範囲 47-64歳)、 男性が82%、 白人が40%であった。
主要評価項目である退院時に良好な神経学的転帰を伴う生存率は、 迅速搬送群が15%、 標準治療群が16%で、 両群間に有意差は認められなかった (リスク差 -1.1%㌽ [95%CI -12.2~-10.0%㌽]、 調整後相対リスク0.95 [95%CI 0.50-1.8]、 p=0.87)。
重篤な有害事象 (AE) は19%に発現し、 そのうち92%が低酸素性脳障害と診断された (迅速搬送群 49%、 標準治療群 51%)。 脳卒中、 肺出血、 消化管出血がそれぞれ1例 (3%)、 いずれも標準治療群で認められた。 AEは両群間で同様であり、 予期せぬAEは認められなかった。
著者らは 「難治性OHCA患者において、 迅速搬送は良好な神経学的転帰を伴う生存率の有意な改善を示さなかった。 ただし、 治療効果が予想より小さかったため、 検出力不足であった可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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