海外ジャーナルクラブ
1年前
Rhaらは、 HER2陰性の進行胃癌または胃食道接合部癌の一次治療において、 ペムブロリズマブ+化学療法併用の有効性を多施設共同二重盲検第Ⅲ相無作為化比較試験KEYNOTE-859で検討した。 その結果、 ペムブロリズマブ+化学療法併用群はプラセボ群に比し、 全生存期間 (OS) を有意に改善した。 本研究はLancet Oncol誌において発表された。
本研究は統計学的に確かな有効性を示しています。 実際のOSでみますと、 中央値でペムブロリズマブ群:12.9ヵ月,プラセボ群:11.5ヵ月で1.4ヵ月間の差です。 この差を実臨床の有効性としてどう考えるか今後重要になります。
抗PD-1抗体と化学療法との併用療法は、 胃癌または胃食道接合部癌において有効性を示している。
未治療のHER2陰性の胃または胃食道接合部腺癌患者 (18歳以上)
患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付けた。
すべての参加者は、 フルオロウラシル (静脈内、 800mg/m²/日) を3週間サイクルの各1~5日目に連続投与し、 シスプラチン (静脈内、 80mg/m²) を3週間サイクルの各1日目に投与するか、 カペシタビン (経口、 1000mg/m²) を3週間サイクルの各1~14日目に1日2回投与し、 オキサリプラチン (静脈内、 130mg/m²) を3週間サイクルの各1日目に投与するかを治験責任医師が選択した。
OS
ITT集団におけるOS中央値
ITT集団におけるOS中央値は、 ペムブロリズマブ群の方がプラセボ群よりも有意に長かった。
HR 0.78 (95%CI 0.70-0.87、 p<0.0001)
PD-L1 CPSが1以上の集団におけるOS中央値
HR 0.74 (95%CI 0.65-0.84、 p<0.0001)
PD-L1 CPSが10以上の集団におけるOS中央値
HR 0.65 (95%CI 0.53-0.79、 p<0.0001)
最も多かったGrade3~5の有害事象の発現
貧血
好中球数減少
重篤な治療関連有害事象
重篤な治療関連有害事象は、 ペムブロリズマブ群23% (785例中184例)、 プラセボ群19% (787例中146例) において確認された。
治療に関連した死亡
治療に関連した死亡は、 ペムブロリズマブ群で8例 (1%)、 プラセボ群で16例 (2%) に発生した。
安全性シグナル
新たな安全性シグナルは確認されなかった。
ペムブロリズマブ+化学療法の併用は、 プラセボ+化学療法に比べてOSを有意に改善し、 毒性も管理可能であった。 この結果から、 ペムブロリズマブ+化学療法の併用は局所進行性または転移性のHER2陰性胃または胃食道接合部腺癌患者における一次治療における選択肢となり得る。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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