【Lancet Oncol】HER2陰性の未治療胃癌へのペムブロリズマブ併用でOS改善:KN-859
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1年前

【Lancet Oncol】HER2陰性の未治療胃癌へのペムブロリズマブ併用でOS改善:KN-859

【Lancet Oncol】HER2陰性の未治療胃癌へのペムブロリズマブ併用でOS改善:KN-859
Rhaらは、 HER2陰性の進行胃癌または胃食道接合部癌の一次治療において、 ペムブロリズマブ+化学療法併用の有効性を多施設共同二重盲検第Ⅲ相無作為化比較試験KEYNOTE-859で検討した。 その結果、 ペムブロリズマブ+化学療法併用群はプラセボ群に比し、 全生存期間 (OS) を有意に改善した。 本研究はLancet Oncol誌において発表された。 

📘原著論文

Pembrolizumab plus chemotherapy versus placebo plus chemotherapy for HER2-negative advanced gastric cancer (KEYNOTE-859): a multicentre, randomised, double-blind, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2023 Oct 19:S1470-2045(23)00515-6. PMID: 37875143

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

本研究は統計学的に確かな有効性を示しています。 実際のOSでみますと、 中央値でペムブロリズマブ群:12.9ヵ月,プラセボ群:11.5ヵ月で1.4ヵ月間の差です。 この差を実臨床の有効性としてどう考えるか今後重要になります。

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背景

抗PD-1抗体と化学療法との併用療法は、 胃癌または胃食道接合部癌において有効性を示している。

研究デザイン

対象

未治療のHER2陰性の胃または胃食道接合部腺癌患者 (18歳以上)

介入

患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付けた。

  • ペムブロリズマブ群:790例
ペムブロリズマブ200mgを3週間ごとに最大35サイクルまで静脈内投与
  • プラセボ群:789例
プラセボ200mgを3週間ごとに最大35サイクルまで静脈内投与

すべての参加者は、 フルオロウラシル (静脈内、 800mg/m²/日) を3週間サイクルの各1~5日目に連続投与し、 シスプラチン (静脈内、 80mg/m²) を3週間サイクルの各1日目に投与するか、 カペシタビン (経口、 1000mg/m²) を3週間サイクルの各1~14日目に1日2回投与し、 オキサリプラチン (静脈内、 130mg/m²) を3週間サイクルの各1日目に投与するかを治験責任医師が選択した。

主要評価項目

OS

intention-to-treat (ITT) 集団、 PD-L1 combined positive score (CPS) が1以上の集団、 およびPD-L1 CPSが10以上の集団で評価した。

研究結果

有効性評価

ITT集団におけるOS中央値

ITT集団におけるOS中央値は、 ペムブロリズマブ群の方がプラセボ群よりも有意に長かった。

  • ペムブロリズマブ群:12.9ヵ月 (95%CI 11.9-14.0ヵ月)
  • プラセボ群:11.5ヵ月 (10.6-12.1ヵ月)
HR 0.78 (95%CI 0.70-0.87、 p<0.0001) 

PD-L1 CPSが1以上の集団におけるOS中央値

  • ペムブロリズマブ群:13.0ヵ月 (95%CI 11.6-14.2ヵ月)
  • プラセボ群:11.4ヵ月 (95%CI 10.5-12.0ヵ月)
HR 0.74 (95%CI 0.65-0.84、 p<0.0001) 

PD-L1 CPSが10以上の集団におけるOS中央値

  • ペムブロリズマブ群:15.7ヵ月 (95%CI 13.8-19.3ヵ月)
  • プラセボ群:11.8ヵ月 (95%CI 10.3-12.7ヵ月)
HR 0.65 (95%CI 0.53-0.79、 p<0.0001) 

安全性評価

最も多かったGrade3~5の有害事象の発現

貧血

  • ペムブロリズマブ群:12% (785例中95例)
  • プラセボ群:10% (787例中76例)

好中球数減少

  • ペムブロリズマブ群:10% (785例中77例)
  • プラセボ群:8% (787例中64例)

重篤な治療関連有害事象

重篤な治療関連有害事象は、 ペムブロリズマブ群23% (785例中184例)、 プラセボ群19% (787例中146例) において確認された。

治療に関連した死亡

治療に関連した死亡は、 ペムブロリズマブ群で8例 (1%)、 プラセボ群で16例 (2%) に発生した。

安全性シグナル

新たな安全性シグナルは確認されなかった。

結果の解釈

ペムブロリズマブ+化学療法の併用は、 プラセボ+化学療法に比べてOSを有意に改善し、 毒性も管理可能であった。 この結果から、 ペムブロリズマブ+化学療法の併用は局所進行性または転移性のHER2陰性胃または胃食道接合部腺癌患者における一次治療における選択肢となり得る。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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