海外ジャーナルクラブ
24日前
Kirtaneらは、 重度石灰化冠動脈病変に対する薬剤溶出ステント (DES) 留置前の冠動脈削磨術 (オービタルアテレクトミー) とバルーン血管形成術の有効性を比較した。 その結果、 1年後の標的血管不全と最小ステント面積に有意差は認められなかった。 試験結果はLancet誌に発表された。
大腿動脈アプローチの頻用 (47.1%) は、 米国特有の治療傾向や複雑病変への対応を反映しているとのことです。
経皮的冠動脈インターベンション (PCI) において、 重度石灰化病変は手技の複雑化やステント拡張不良、 手技中の合併症等のリスクを上昇させるが、 ステント留置前の石灰化除去がこれらのリスク軽減に有効であるかどうかは明らかでない。
そこで、 重度石灰化冠動脈病変に対するステント留置前のオービタルアテレクトミーとバルーン血管形成術の有効性を非盲検無作為化比較試験にて比較した。
米国104施設の重度石灰化冠動脈病変を有する患者2,005例 (2,492病変) を対象とし、 DESによるPCI前に、 オービタルアテレクトミー群 (1,008例、 1,250病変) とバルーン血管形成群 (997例、 1,242病変) に割り付けた。 対象とする病変は、 どちらの治療法でも適応可能なものとした。
主要評価項目は、 1年後の標的血管不全 (心臓死、 標的血管心筋梗塞、 虚血による標的血管再血行再建術) の発生率と、 最も石灰化の強い部位における最小ステント面積であった。
2つの主要評価項目に、 有意差は認められなかった。
絶対差 1.5% (96%CI -1.4~4.4)、
HR 1.16 (96%CI 0.87~1.54、 p=0.28)
平均差 0.26mm² (99%CI -0.31~0.82、 p=0.078)
著者らは 「薬剤溶出ステント留置前のオービタルアテレクトミーはバルーン血管形成術と比較して、 1年後の標的血管不全抑制や最小ステント面積の増大にはつながらなかった。 どちらの治療も選択可能な場合、 血管内イメージングを活用したバルーン先行戦略が推奨されることを支持する結果であった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。