海外ジャーナルクラブ
1年前
Dargavilleらは、 呼吸窮迫症候群の早産児を対象に、 低侵襲サーファクタント補充療法 (minimally invasive surfactant therapy:MIST) の長期にわたる効果を無作為化比較試験の追跡研究で検討した。 その結果、 MISTは2歳時までの死亡や神経発達障害(neurodevelopmental disorders:NDD)の発生率を低下させなかった一方で、 呼吸器系の有害転帰の発生率を低下させた。 本研究はJAMA誌において発表された。
JAMA特有の本研究のMeaning(意義) には、 MIST療法は2歳までの死亡またはNDDの発生率を低下させなかった、 のみが記載されています。 なかなか解釈が難しい研究成果です。
呼吸窮迫症候群の早産児対するMISTの長期的な効果については、 まだ十分に解明されていない。
在胎期間25~28週で、 持続的気道陽圧 (continuous positive airway pressure:CPAP) による呼吸補助を受けている乳児:486例
患者を以下の群に無作為に1:1の割合で割り付けた。
補正年齢2歳時における死亡または中等度から重度のNDD
死亡またはNDDの発生に群間差は無かった。
リスク差:0%、 95%CI -7.6%~7.7%
相対リスク (RR):1.0、 95%CI 0.81~1.24
呼吸器系の有害転帰は対照群に比し、 MIST群において少なかった。
呼吸器疾患による入院
RR:0.66、 95%CI 0.54~0.81
親の報告による喘鳴または呼吸困難
RR:0.76、 95%CI 0.63~0.90
CPAPによる呼吸補助を受けている呼吸窮迫症候群の早産児に対するMIST療法は、 2歳までの死亡またはNDDの発生率を低下させなかった。一方で、呼吸器系の有害転帰は対照群に比べて少なかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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