【JAMA】呼吸窮迫症候群の早産児へのMISTで2歳時までの死亡率は低下せず
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【JAMA】呼吸窮迫症候群の早産児へのMISTで2歳時までの死亡率は低下せず

【JAMA】呼吸窮迫症候群の早産児へのMISTで2歳時までの死亡率は低下せず
Dargavilleらは、 呼吸窮迫症候群の早産児を対象に、 低侵襲サーファクタント補充療法 (minimally invasive surfactant therapy:MIST) の長期にわたる効果を無作為化比較試験の追跡研究で検討した。 その結果、 MISTは2歳時までの死亡や神経発達障害(neurodevelopmental disorders:NDD)の発生率を低下させなかった一方で、 呼吸器系の有害転帰の発生率を低下させた。 本研究はJAMA誌において発表された。 

📘原著論文

Two-Year Outcomes After Minimally Invasive Surfactant Therapy in Preterm Infants: Follow-Up of the OPTIMIST-A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2023 Sep 19;330(11):1054-1063. PMID: 37695601

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

JAMA特有の本研究のMeaning(意義) には、 MIST療法は2歳までの死亡またはNDDの発生率を低下させなかった、 のみが記載されています。 なかなか解釈が難しい研究成果です。

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一回換気量 6~8mL/kg (予測体重)

ARDSなど肺保護換気設定で使用

背景

呼吸窮迫症候群の早産児対するMISTの長期的な効果については、 まだ十分に解明されていない。

研究デザイン

対象

在胎期間25~28週で、 持続的気道陽圧 (continuous positive airway pressure:CPAP) による呼吸補助を受けている乳児:486例

介入

患者を以下の群に無作為に1:1の割合で割り付けた。

  • MIST群:242例
細いカテーテルを介し外因性サーファクタント (poractant alfa:200mg/kg) を投与
  • 対照群:244例
偽薬を投与

主要な副次評価項目

補正年齢2歳時における死亡または中等度から重度のNDD

研究結果

死亡またはNDDの発生

死亡またはNDDの発生に群間差は無かった。

  • MIST群:36.3% (242例中78例)
  • 対照群:36.1% (244例中79例)
リスク差:0%、 95%CI -7.6%~7.7%
相対リスク (RR):1.0、 95%CI 0.81~1.24

呼吸器系の有害転帰

呼吸器系の有害転帰は対照群に比し、 MIST群において少なかった。

呼吸器疾患による入院

  • MIST群:25.1% (242例中49例)
  • 対照群:38.2% (244例中78例)
RR:0.66、 95%CI 0.54~0.81

親の報告による喘鳴または呼吸困難

  • MIST群:40.6% (242例中73例)
  • 対照群:53.6% (244例中104例)
RR:0.76、 95%CI 0.63~0.90

結論

CPAPによる呼吸補助を受けている呼吸窮迫症候群の早産児に対するMIST療法は、 2歳までの死亡またはNDDの発生率を低下させなかった。一方で、呼吸器系の有害転帰は対照群に比べて少なかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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