【J Clin Oncol】MET駆動性転移性乳頭状腎癌へのsavolitinib+デュルバルマブの併用療法が高い奏効率と関連
著者

海外ジャーナルクラブ

2年前

【J Clin Oncol】MET駆動性転移性乳頭状腎癌へのsavolitinib+デュルバルマブの併用療法が高い奏効率と関連

【J Clin Oncol】MET駆動性転移性乳頭状腎癌へのsavolitinib+デュルバルマブの併用療法が高い奏効率と関連
Suárezらは、 転移性乳頭状腎癌 (PRC) 患者を対象に、 MET阻害薬savolitinib+ PD-L1阻害薬デュルバルマブ併用の有効性と安全性を単群第II相試験CALYPSOで検討。 その結果、 savolitinib+デュルバルマブの併用療法は、 MET駆動性例サブセットにおいて忍容性があり、 高い確定奏効率 (cRR)と関連していた。

📘原著論文

Phase II Study Investigating the Safety and Efficacy of Savolitinib and Durvalumab in Metastatic Papillary Renal Cancer (CALYPSO).J Clin Oncol. 2023 Feb 21;JCO2201414. PMID: 36809050

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

すでに併用療法vs.単剤療法の第Ⅲ相RCTが進行中ですのでその結果を待ちたいと思います。 研究終了は2026年秋のようです。

🔢関連コンテンツ

腎癌のTNM分類 (UICC-8版)

腎臓癌の病理学的分類 (UICC-8版)

R.E.N.A.L metry score

腎腫瘍の解剖学的特徴を定量化するスコア

PADUA 腎腫瘍スコア

腎腫瘍の解剖学的分類

Bosniak分類

腎腫瘤の悪性腫瘍である可能性を予測するツール

背景 

PRCは予後不良であり、 新しい治療法が求められている。 METおよびPD-L1阻害薬を検討することには強い根拠がある。

研究デザイン

対象

転移性PRC患者:41例

介入

デュルバルマブ (1,500mgを4週間に1回) とsavolitinib (600mgを1日1回)

主要評価項目

確定奏効率 (cRR) 50%以上

副次的評価項目

無増悪生存期間 (PFS)、 忍容性、 全生存期間 (OS)

研究結果

治験集団全体のcRR

治験集団全体のcRRは29% (12例、 95%CI 16-46%) であり、 本試験の主要評価項目は達成されなかった。

MET駆動性例およびPD-L1陽性腫瘍例のcRR

MET駆動性例のcRRは53% (95%CI 28-77%)、 PD-L1陽性腫瘍例は33% (同17-54%) であった。

PFS中央値

  • 治験集団全体:4.9カ月 (95%CI 2.5-10.0カ月)
  • MET駆動性例:12.0カ月 (95%CI 2.9-19.4カ月)

OS中央値

  • 治験集団全体:14.1カ月 (95%CI 7.3-30.7カ月)
  • MET駆動型患者で27.4カ月 (95%CI 9.3カ月-未到達)

安全性評価

  • グレード3以上の治療関連有害事象は41% (17例) に発生した。
  • グレード5の治療関連有害事象は1件 (脳梗塞) だった。

結論

savolitinib+デュルバルマブの併用療法は、 MET駆動性例サブセットにおいて忍容性があり、 高いcRRと関連していた。

こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
HOKUTOのロゴ
HOKUTOのロゴ
今すぐ無料ダウンロード!
様々な分野の医師
様々な分野の医師
【J Clin Oncol】MET駆動性転移性乳頭状腎癌へのsavolitinib+デュルバルマブの併用療法が高い奏効率と関連