HOKUTO編集部
13日前

強力な化学療法適格の未治療FLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病 (AML) 患者を対象に、 第二世代FLT3阻害薬ギルテリチニブと第一世代FLT3阻害薬midostaurinを直接比較した第Ⅲ相無作為化比較試験HOVON156/AMLSG28-18/PASHAの結果から、 OSは両群間で有意差は認められなかった。 一方、 ギルテリチニブ群では無イベント生存期間 (EFS) の延長傾向と、 無再発生存期間 (RFS) の有意な改善が認められた。 オランダ・Erasmus MC Cancer InstituteのMarc H.G.P. Raaijmakers氏が発表した。
ギルテリチニブは、 FLT3-ITDおよびFLT3-TKDの双方に活性を示す選択性の高い第二世代FLT3阻害薬であり、 再発・難治性FLT3変異陽性AMLの標準治療として位置付けられている。 本試験では、 初発のFLT3変異陽性AMLにおいて、 ギルテリチニブとmidostaurinの有効性・安全性が直接比較された。
対象は、 強力化学療法の適応となる、 ≧18歳の未治療FLT3変異陽性AML患者だった。 768例を以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けた。
主要評価項目は全生存期間 (OS) だった。
データカットオフ時点 (2025年10月15日) での追跡期間中央値は43.2ヵ月だった。 OS中央値は両群ともNRで、 OSイベントは両群ともに152例 (39.6%) に認められ、 両群間で有意差は認めなかった (HR 1.02 [95%CI 0.81-1.28]、 p=0.864)。
事前に規定された年齢、 FLT3-TKD、 FLT3-ITDアレル比別のサブグループ解析でも、 OSは両群で概ね同等だった。
無イベント生存期間 (EFS) 中央値は、 ギルテリチニブ群が51.1ヵ月 (95%CI 24.7ヵ月-NR)、 midostaurin群が19.9ヵ月 (同14.3-35.7ヵ月) で、 ギルテリチニブ群で延長が見られた (HR 0.83 [95%CI 0.68-1.02]、 p=0.052)。
寛解導入後のCR率は、 ギルテリチニブ群78.9%、 midostaurin群83.3%で、 両群間に有意差を認めなかった (p=0.128)。
CR達成例における無再発生存期間 (RFS) 中央値は両群ともNRだったが、 ギルテリチニブ群ではRFSイベントが少なく、 RFSはmidostaurin群に比べ有意に改善した (HR 0.68 [95%CI 0.54-0.88]、 p=0.003)。
初回再発後のOS中央値は、 ギルテリチニブ群で7.2ヵ月、 midostaurin群で10.2ヵ月だった。 再発後治療としてギルテリチニブを使用した割合は、 ギルテリチニブ群で17%、 midostaurin群で50%であり、 同種造血幹細胞移植を受けた割合はそれぞれ22%、 34%だった。
なおmidostaurin群では、 再発後にギルテリチニブや同種造血幹細胞移植がより多く行われたことが、 OSにおいて両群間で差を認めなかった背景の一つである可能性が示唆された。
Grade 3以上の治療下発現有害事象 (TEAE) は、 ギルテリチニブ群で96.9%、 midostaurin群で96.6%と同程度だった。 一方、 重篤な有害事象 (SAE) はそれぞれ68.2%、 59.4%で、 感染症関連SAEは43.2%、 35.6%だった。
30日死亡率は5.5%/3.1%、 60日死亡率は8.9%/6.0%で、 いずれもギルテリチニブ群でやや高かった。 また、 ギルテリチニブ群ではmidostaurin群と比べ、 血液学的回復の遅延が認められた。
Raaijmakers氏は、 「ギルテリチニブはmidostaurinと比較してOSの改善を示さず、 主要評価項目は達成されなかった。 一方で、 EFSは改善傾向、 RFSは有意な改善が認められ、 より強い抗白血病活性が示唆された。 本試験における再発後治療の不均衡や、 感染症・血液学的回復遅延などの安全性面を踏まえた慎重な解釈が必要である」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。