海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前
Nybacka氏らは、 過敏性腸症候群 (IBS) の患者を対象に、 薬物治療および食事療法の有効性について単施設単盲検無作為化比較試験で比較検討した。 その結果、 IBS患者における2種類の食事療法は標準薬物治療よりも優れた効果を示した。 本研究はLancet Gastroenterol Hepatolに掲載された。
単施設RCTなので一般化が大きな課題なのですが、 それ以上に食事療法が薬物療法よりも有効であったという結果はimpactが強いです。 やろうと思えばどこの施設でもできるはず、 でもそれを実際に成し遂げた素晴らしい研究成果です。
IBS患者においては食事療法と薬物療法が推奨されている。 しかし、 IBSの主症状に対し、 各治療法の有効性を比較した研究はまだ報告されてない。
Sahlgrenska大学病院の専門外来を受診した、 中等度~重度のIBS*を有し、 他に重篤な疾患や食物アレルギーのない18歳以上の患者 : 294例
患者を1 : 1 : 1の割合で以下の3群に無作為に割り付けた
食事療法の名称はマスクされたが、 薬物療法は非盲検であった。 治療は4週間行われた後、 低FODMAP食群および糖質制限食群は食事療法のマスキングを解除された。
4週間の治療期間でIBS-SSSがベースラインから50以上減少した患者の割合
治療完了率、 有害事象の発生
ベースライン時と比較してIBS-SSSが50以上減少した患者割合
p=0.023
著者らは 「IBS患者に対し、 食事療法による重症度低下の効果は薬物治療に比べて有意に大きかった。 食事療法はIBS患者の初期治療として考慮される」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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