海外ジャーナルクラブ
1年前
Gentiliniらは、 腫瘍径≦2cmかつ超音波検査で腋窩リンパ節転移の疑いのない乳癌患者を対象に、 リンパ節検査のための腋窩手術の省略が、 センチネルリンパ節生検 (SLNB) を受けた群と比較して非劣性であるかどうかを前向き非劣性第Ⅲ相無作為化比較試験SOUNDで検討した。 その結果、 腋窩手術を受けなかった群の5年遠隔無病生存 (DDFS) 率がSLNB群に対し非劣性であった。 本研究は、 JAMA Oncol誌において発表された。
早期乳癌患者を対象としているために5年間観察結果では差が出ない可能性があり、 10年間の観察結果の解析を事前に設定しているようです。
SLNBは、 早期乳癌患者の腋窩リンパ節転移を調べる標準的な治療であるが、 SLNBのための腋窩手術は治癒を目的として行われるものではないため、 その必要性に疑問が呈されることがある。
超音波検査で腋窩リンパ節転移陰性で、 腫瘍径2cm以下の乳癌患者:1,463例
患者を1:1の割合で無作為に割り付けた。
5年DDFS率
5年DDFS率
log-rank検定 p=0.67、 HR 0.84、 90%CI 0.45-1.54、 非劣性p=0.02
局所再発・遠隔転移・死亡の割合
SLNB群
腋窩手術なし群
超音波検査で腋窩リンパ節転移陰性の小型乳癌患者において、 腋窩手術の省略はSLNBと比較して非劣性であった。 これらの結果は、 病理学的情報の欠如が術後の治療計画に影響を及ぼさない限り、 安全に腋窩手術を免れられることを示唆している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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