海外ジャーナルクラブ
1年前
Weiらは、 2型糖尿病と痛風を有する患者を対象に、 糖尿病治療薬が痛風の再燃に与える影響をコホート研究で検討。 その結果、 SGLT2阻害薬で治療した患者群は、 GLP-1受容体作動薬やDPP4阻害薬で治療した患者群に比べ、 痛風の再燃や全死因死亡率が低かった。 本研究は、 JAMA Netw Open誌において発表された。
データベース研究には限界があります。 本研究では痛風再燃をデータベース上、 recorded Read code of gout plus a recorded prescription of colchicine; a recorded Read code of gout together with at least 1 of intra-articular corticosteroids, nonsteroidal anti-inflammatory drugs, or corticosteroid or adrenocorticotropic hormone within 1 week; or having Read codes specific for gout flareと定義しています。
インスリン分泌指数 (II : Insulinogenic Index)
SGLT2阻害薬は痛風の発症リスク低下と関連しているが、 痛風再燃との関連は不明である。
英国のプライマリ・ケア・データベースを利用して、 痛風と2型糖尿病の患者を対象に、 SGLT2阻害薬と他の糖尿病治療薬 (GLP-1受容体作動薬やDPP4阻害薬) の治療効果を比較した。
追跡期間中の痛風再燃回数
初回の再燃と全死因死亡率
痛風再燃回数の合計は、SGLT2阻害薬群が318回(重み付け平均追跡期間は2.76年)、対照薬群が1,714回 (同2.70年)だった。
対照薬と比較したSGLT2阻害薬の重み付け相対再発率は0.79 (95%CI 0.65-0.97) であった。
対照薬をDPP4阻害薬とGLP-1受容体作動薬に分けて比較してた場合においても、 ほぼ同様の結果となった。
痛風の初回再燃の累積発症率を対照薬と比較したところ、 SGLT2阻害薬群の重み付け率差は1,000人・年当たり-8.8 (95%CI、 -17.2〜-0.4)、 HRは0.81 (95%CI、 0.65〜0.98) であった。
1,000人年当たりの全死因死亡率
率差 (1000人年当たり) -6.1 (95%CI -10.6--1.6)、HR 0.71 (95%CI 0.52-0.97)
2型糖尿病と痛風を有する患者において、 SGLT2阻害薬を使用することで、 他の糖尿病治療薬よりも痛風再燃リスクと総死亡率が低かった。 これらの所見はさらに、 SGLT2阻害薬が痛風再燃の負担を軽減し、 痛風患者と一般集団との死亡率の差を縮めるのに役立つ可能性があることを示唆している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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