海外ジャーナルクラブ
1年前
Kuemmelは、 リンパ節転移陽性乳癌の患者を対象に、 術前薬物療法 (NST) 後の標的腋窩郭清 (TAD) または腋窩リンパ節郭清 (ALND) を伴うTADの3年転帰を前向き登録試験SenTaで検討。 その結果、 NSTに対する効果が良好で、 TADリンパ節が3個以上ある患者でのTAD単独は、 腋窩リンパ節郭清 (ALND) を伴うTADと同等の生存結果および再発率をもたらす可能性があることが明らかとなった。 本研究はJAMA Surg誌において発表された。
Less is Moreの時代です。 また今回は3年間のmedium-term follow-upということですので、 Longer follow-up結果が待たれます。
NSTの普及により、 初回リンパ節転移陽性の早期乳癌患者の病理学的完全奏効 (pCR) 率は大幅に向上し、 ALNDの必要性が疑問視されている。 TADは腋窩病期分類のために実行可能であるが、 腫瘍学的安全性に関するデータは乏しい。
リンパ節転移陽性乳癌患者
NST前に最も疑わしいリンパ節 (LN) のクリッピングを行い、 NST後にマークされたリンパ節とセンチネルリンパ節の切除 (TAD) を実施。 その後、 医師の判断でALNDが行われた。
3年間の臨床転帰
調整後の多変量Cox回帰分析では、 TAD単独は再発 (HR 0.83、 95%CI 0.34-2.05、 P=0.69) または死亡 (HR 1.07、 95%CI 0.31-3.70、 P=0.91) のリスク増加とは関連しないことが示された。
NST後の臨床的リンパ節転移陰性乳癌患者152例についても同様の結果が得られた。
無浸潤生存期間:HR 1.26、 95%CI 0.27-5.87、 P=0.77
全生存期間:HR 0.81、 95%CI 0.15-3.83、 P=0.74
NSTに対する臨床効果がほぼ良好で、 転移LNが少なくとも3個ある患者におけるTAD単独は、 ALNDを伴うTADと同様の生存成績および再発率をもたらす可能性があることが示唆された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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