フェンタニル供給制限への対応例を公開:日本集中治療医学会
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HOKUTO編集部

3ヶ月前

フェンタニル供給制限への対応例を公開:日本集中治療医学会

フェンタニル供給制限への対応例を公開:日本集中治療医学会
フェンタニル注射液 「テルモ」 (0.1mg、 0.25mg、 0.5mg)に関して、 海外生産工場における製造過程逸脱、 ならびに無通告監査に対する改善対応のために製造停止を行った影響で、 供給制限が続いている。 これを受け、 日本集中治療医学会は2024年12月27日、 限られたフェンタニル注射液を安定供給されるまで有効的に使用するための対応を関連部門・診療科と連携の上で検討するよう各医療機関に呼びかけると同時に、 対応策案を公開した。
薬剤情報

フェンタニル注射液0.1mg 「テルモ」

フェンタニル注射液0.25mg 「テルモ」

フェンタニル注射液0.5mg 「テルモ」

対応策①使用の優先順位を策定

各医療機関の状況を踏まえ、 以下などの状況に基づき、 フェンタニル注射液使用の優先順位を策定する。

優先順位の高い状況例

  1. 気管挿管時
  2. 不安定な循環動態患者に対する鎮静・鎮痛管理時などで代替できない場合
  3. 疼痛管理において、 モルヒネ製剤や他のオピオイドへの移行が困難な場合

対応策②削減方策や他の鎮痛方法を検討

各医療機関の状況を踏まえ、 以下のような削減方策や他の鎮痛方法を検討する。

代替方法の例

  1. 集中治療における人工呼吸中の鎮痛において、 レミフェンタニル製剤もしくはモルヒネ製剤の持続投与を行う
  2. 疼痛管理において、 フェンタニル注射液の使用を避け、 禁忌や注意事項に配慮したうえで、 モルヒネ製剤を選択する
  3. 硬膜外麻酔(局所麻酔薬、 モルヒネ製剤)の併用を考慮する

代替薬等の使用に当たっては、 同学会は「看護師など関係医療者に対してもリスク等の情報を提供の上で、 十分な知識・経験をもつ医師の指示の元で行う。 また、 適応外使用等に該当する場合は、 各医療機関での手続きに配慮の上で実施する」としている。

関連コンテンツ

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総論

- レスキュー薬の設定 「薬剤ごとの対応表」

- オピオイドスイッチング 推奨用量一覧

- 投与経路の選び方と変更時の注意点

- オピオイドの投与経路・剤形

各論

- 軽度~中等度の痛みに使用する医療用麻薬

- 中等度~高度の痛みに使用する医療用麻薬

- 非オピオイド鎮痛薬の特徴

- メサドンの特徴

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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